【医学アカデミー薬学ゼミナール】計算を制する者は国試を制する!‐第107回薬剤師国家試験へ向けた計算問題対策

2021年7月1日 (木)

薬学生新聞

物理科目責任者 茂木 雄輔、薬剤科目責任者 横井 宏哉、実務科目責任者 坂口 努

 薬剤師国家試験(以下、国試)では、多くの科目で計算問題が出題されており、例年20題ほどの出題であったが、106回国試では26題と増加した。106回国試の計算問題の正答率には、下のグラフに示す通り、科目によりバラツキがあった。また、出題形式別での計算問題における平均正答率は、必須問題85.0%、理論問題59.2%、実践問題76.1%であった(計算問題全体での平均正答率は65.3%)。これから107回国試に向けて勉強を始める方は、まずは必須問題などのように正答率の高い問題から解けるようにしていきましょう。

科目別の計算問題の傾向

 衛生で1問出題された計算問題(参考正答率75%程度)は、コロナ感染症が蔓延している中で実施された106回国試において話題性のある問題で、必要換気量必要換気回数基本的な公式を用いて「行われた換気に対して、この部屋に在室可能な最大人数」を求める内容であった。

 また、同じく1問出題された治療の計算問題(参考正答率40%程度)は、臨床研究の結果に基づいて、治療必要数(NNT)絶対リスク減少(ARR)相対リスク減少(RRR)を求める内容であった。臨床研究の結果の主なパラメータに関しては、近年の国試で問われることが多くなっているため、計算の手法を確認しましょう。

 計算問題を得点するためには、既出問題を暗記して解くだけでなく、式や問題の内容を理解することを意識して学修しましょう。以下に、特に計算問題の出題が多い物理、薬剤、実務について、106回国試の具体的な出題を示します。これから、国試に向けて計算問題の勉強を始めるための参考にしてみてください。

物理

■出題の特徴とアドバイス

 本設問は、AEDのパルスが与える仕事量(エネルギー)を計算する問題であり、解答するために中学・高校の理科の知識を必要とする問題です。

 物理では、「反応速度」「酸と塩基」「物理平衡」「容量分析」の各小項目で計算が頻出です。まずは既出問題を解くことから勉強を開始し、頻出範囲の「単位に関する基礎知識をつける」「頻出の公式を覚える」ができたら、次は、「公式の意味」など内容の理解を進めましょう。

薬剤

■出題の特徴とアドバイス

 本設問は、複数の公式を用いる計算問題です。設問文やグラフから得られる情報をもとに関連する公式を導いていきましょう。

 薬剤では、出題基準における「薬動学」「TDM(投与計画含む)」「製剤材料の物性」の各小項目で計算が頻出です。既出問題で繰り返し問題演習を行うことで、対応力を養いましょう。

実務

■出題の特徴とアドバイス

 実務領域の計算問題の難易度は平易~中等の場合が多く、散剤・液剤・消毒薬・輸液(カロリー、mEq、Osm、NPC/Nなど)が出題の軸となります。近年では、本設問のように薬剤の知識が必要となる「薬物の定常状態への到達時間」等の出題もあります。これらの問題では、設問中から必要な情報を的確に見つけ出し、活用することが求められています。既出問題を解く際に、「なぜ、このような解法なのか」「解き方を暗記するのではなく理解して解く」などを意識して、反復練習をしましょう!



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