ニュースダイジェスト 「薬事日報」の紙面から

2022年4月15日 (金)

薬学生新聞


【厚労省】離島の調剤制限を緩和‐看護師が患者に薬受け渡し

 厚生労働省は、離島などの診療所における医師や薬剤師が不在時の医薬品提供の考え方を示し、3月23日付で都道府県に通知を発出した。離島などの診療所で荒天により医師と薬剤師が渡航できず不在となり、医師が遠隔でオンライン診療を行った場合、医師か薬剤師の管理のもと、離島の診療所にいる看護師が患者に薬剤を渡すことは「差し支えない」との見解を示した。医師や薬剤師以外で調剤制限を緩和するのは初めての事例となる。

 薬剤師法では、医師が自己の処方箋により自ら調剤する時を除き、看護師など薬剤師以外の者による調剤を禁止している。離島部を持つ大分県津久見市は、今年度の地方分権改革で、へき地の遠隔診療時における調剤制限緩和を提案。昨年11月の地方分権改革有識者会議・提案募集検討専門部会合同会議で「2021年度中に検討し、結論を得る」との対応方針案が了承され、昨年12月に閣議決定されていた。

 通知では、荒天で医師や薬剤師が渡航できないことで不在となり、本土にいる診療所医師が患者に遠隔でオンライン診療を行った場合の調剤については、一定の条件を満たせば、看護師が患者に薬剤を渡すことは差し支えないとした。

 具体的には、医師または薬剤師が離島診療所の看護師に対し、処方箋に記載された医薬品の必要量を取り揃えるよう伝え、映像・音声の送受信による方法で取り揃えの状況や、取り揃えられた薬剤が処方内容と相違がないかなどを確認することを挙げた。

 看護師が取り揃え、患者に受け渡しが可能な薬剤については、離島の診療所内で適切に保管・管理され、PTPシートで包装されたままの医薬品に限定した。

 津久見市離島部である保戸島の診療所には、診療所の院長や看護師などが週4日本土から定期船で通い、島在住の看護師を含めた体制で診療を行っていた。20年10月からは荒天等において、医師が渡島できない時の診療体制を確保するため、本土の津久見市内の病院からオンライン診療ができるよう診療所で運用を開始した。

 しかし、医師が本土の病院からオンライン診療を実施することになるため、診療所内に医師が不在となり、薬剤師も常駐しておらず、診療所内にある薬剤を患者に提供できない事例が発生していた。

 厚労省は今回の規制緩和について、「薬剤師または医師が調剤した医薬品を供給できる体制整備が前提」と強調し、平時から薬剤師の確保など医薬品提供体制を構築するよう求めている。大分県薬剤師会は2月から、保戸島に常駐する薬剤師の募集を開始。九州管内で募集を行っているが、現段階で1人も集まっておらず、離島で薬剤師を確保する厳しい現状に直面している。

(2022年4月1日掲載)

【規制改革推進会議】日薬、改めて反対姿勢示す‐調剤の外部委託で議論

 政府の規制改革推進会議医療・介護・感染症対策ワーキンググループは3月15日、調剤業務の外部委託について議論し、薬剤師団体側が改めて実施に難色を示した。日本薬剤師会は、監査実施の難しさや個人情報漏洩を危惧したほか、日本保険薬局協会(NPhA)は調剤の一連業務のうちどの工程を委託するかなど、想定している外部委託の内容を明確化するよう求めた。

 この日のWGで國峯孝祐弁護士(國峯法律事務所)は、外部委託した場合の責任の分担に関する考えを整理、公表した。刑事・行政責任については、受託した薬局に所属する薬剤師にあるとした一方、委託した薬局が不正確な処方情報を送信して結果的に患者に被害が生じた場合などは、委託した薬局に所属する薬剤師に責任が生じると説明。

 また、委託する薬局の判断で外部委託する場合でも、刑事・行政責任共に、現行よりも重くなることはないとの見解も示した。

 日薬は1月のWGでも、「責任の所在を不明瞭にし、新たなリスクを伴い、患者の医療安全の確保が困難」として、外部委託に反対する考えを示していた。

 この日の会合でも、「機械化やデジタル化、イノベーションを否定するものではない」とする一方、外部委託に関する確実な監査は難しく、患者の死亡事故が発生していること、個人情報の漏洩事例も多数確認されているなどとして、改めて外部委託に反対した。

 NPhAも、「機械化により安心・安全につながる可能性もあるが、どのような委託のあり方が良いかは精査が必要」として、調剤業務のどの工程を委託するか、最終監査や薬剤交付はどちらが行うかなど、検討を進める上での共通認識として、どのような外部委託を想定しているか明確にするよう求めた。

 一方、日本フランチャイズチェーン協会に加盟するローソンは、OTC医薬品を販売するコンビニを拡大するため、協会が従来から提案している薬剤師等の有資格者を介した遠隔販売実現のほか、登録販売者の管理者要件緩和も要望した。

 登録販売者が薬剤師や実務経験のある登録販売者が店舗にいない場合に1人で販売を行うためには、医薬品医療機器等法の施行規則で定める「過去5年以内に2年以上で計1920時間の実務経験」とする管理者要件を満たす必要がある。

 しかし、同社は1日8時間勤務で20日間勤務すれば1年間で1920時間に達するとして、通算2年以上の実務要件を撤廃するよう求めた。

 要望に対して、厚生労働省は「管理者になる上で必要な最低限の期間を緩和することは適切でない」と回答した。

(2022年3月23日掲載)

20年薬剤師数は32万人に‐薬局増で過去最高更新

 厚生労働省は、2020年薬剤師統計の概況を公表した。全国の薬剤師数は18年の前回調査から1万人超増加した32万1982人で過去最多となった。薬局薬剤師数は4.7%増の18万8982人と病院薬剤師の伸びを上回り、病院と薬局の薬剤師数の差がさらに拡大した。薬局薬剤師が大幅に増加する一方、大学や医薬品関係企業に勤務する薬剤師は減少した。

 統計は、薬剤師法に基づいて2年に1度届け出られた薬剤師の各届出票を集計したもの。20年12月31日現在の全国の「薬剤師数」は32万1982人で、前回から1万0693人(3.4%)増加。性別では、女性が19万7740人で総数の61.4%を占め、男性は12万4242人で38.6%だった。人口10万人当たりの薬剤師数は255.2人で、前回から9.0人増加した。

 従事している施設・業務別に見ると、「薬局」が18万8982人(58.7%)で、前回から8567人(4.7ポイント)増加した。一方、薬剤師不足が叫ばれる「医療施設」の従事者は6万1603人(19.1%)と1647人(2.7ポイント)増加し、6万人を突破した。このうち、「病院」は5万5948人、「診療所」は5655人だった。

 「大学」は5111人で、前回から152人減少したほか、「医薬品関係企業」も3万9044人で2259人減少した。「衛生行政機関または保健衛生施設」は6776人で115人増加した。

 薬局と医療施設(病院・診療所)に従事する人口10万人当たりの薬剤師数は198.6人で、前回から8.5人増加。都道府県別に見ると、徳島県の238.6人が最多で、次いで東京都の234.9人、兵庫県の233.9人が続いた。最少は沖縄県の148.3人で、福井県の157.0人、青森県の161.2人の順となり、薬剤師の地域偏在が課題として浮き彫りとなっている。

(2022年3月23日掲載)



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