ニュースダイジェスト 「薬事日報」の紙面から

2023年9月15日 (金)

薬学生新聞

【医薬品の販売制度に関する検討会】零売の法的位置づけで同意‐かかりつけ薬局が販売

 厚生労働省の「医薬品の販売制度に関する検討会」が8月4日に開かれ、「処方箋医薬品以外の医療用医薬品の販売」(いわゆる零売)について、処方箋に基づく販売を基本とし、リスクの低い医療用医薬品の販売は、「やむを得ない場合」に限り薬局での販売を認めることを法律上位置づけることで概ね同意が得られた。

 販売に当たっては、患者が普段から利用しているかかりつけ薬局での販売、一時的に最小限度の量に限り販売することなどの要件を課すことなどで検討を進める。また、要指導医薬品についてはネット販売を行わないことを前提にオンライン服薬指導を実施する方向で異論が出なかった。

 現在、医療用医薬品は「処方箋医薬品」と「処方箋医薬品以外の医療用医薬品」に区分され、処方箋医薬品以外の医療用医薬品については通知により「やむを得ない場合に限り販売可」とされてきた。厚労省は、医薬品医療機器等法で位置づけられている「処方箋医薬品」を撤廃し、医師の処方を原則とする「医療用医薬品」として法律で位置づけ、正当な理由以外で薬局における医療用医薬品の販売を規制することを提案した。

 さらに、通知で記載されている「やむを得ない場合」の医療用医薬品の販売について考え方を整理した。▽医師に処方され服用している医療用医薬品が不測の事態で患者の手元にない状況となり、かつ、診療を受けられない場合▽一般用医薬品で代用できない、もしくは、代用可能と考えられる一般用医薬品が容易に入手できない場合――とした。

 販売に当たっては、かかりつけ薬局による販売、一時的にかかりつけの医療機関に受診するまでの間に必要な分に限り販売すること、適正な販売のために購入者の氏名等および販売の状況を記録、受診している医療機関に報告することの要件を課すこととした。

 構成員からは「やむを得ない場合に薬局が医療用医薬品を販売するのはレアケースだが、法令上の位置づけを明確化することは重要」など賛同する意見が相次いだ。ただ、末岡晶子構成員(森・濱田松本法律事務所)は、「かかりつけ薬局に限り販売することについては再考いただきたい。営業の自由に制限をかけることになる」と注文をつけたほか、中島真弓構成員(東京都福祉保健局健康安全部薬務課長)は、販売の要件に挙げられた「かかりつけ薬剤師の定義を明確化してほしい」と要望した。

 一方、要指導医薬品のオンライン服薬指導についても概ね同意が得られた。オンライン服薬指導を行うことが適切でない品目は緊急避妊薬以外では挙げられなかった。一方、濫用の恐れのある医薬品については、山本正俊構成員(日本OTC医薬品協会事業活動戦略会議座長・薬制委員長)が「大包装しかない医薬品を小包装化したい」と述べ、業界として取り組みを進めていく意向を示した。

(2023年8月7日掲載)

【MR認定センター】MR総数が5万人割れ‐薬剤師資格者は過去最低

 MR認定センターが7月18日に公表した「2023年版MR白書」によると、22年のMR数は前年から2166人減の4万9682人と、5万人を下回った。9年連続の減少となった。降圧薬など同種同効薬が多かった生活習慣病治療薬について多数のMRが活動を展開した「シェア・オブ・ボイス(SOV)」の時代から、市場の中心となる製品が多数のMRによる活動を必要としない癌や中枢神経などスペシャリティ薬となったことに加え、情報提供チャネルの多様化もあり、MR数の減少が進んだと見られる。また、かつて全体の約1割いた薬剤師資格保有MRの割合は8.7%と過去最低になった。

 MR数は3月31日時点のもの。同センターが4月に製薬企業、CSO、卸の200社を対象に調査し、全てから回答を得てまとめられた。MR数は02年にかけて5万人台へ突入し、13年には6万5752人とピークに達した。その後減少が続き、今回の22年はピーク時から1万6070人減り、4万人台となった。

 同センターは、今回の結果について「一時期の同種同効薬の競争激化とSOV獲得を背景に膨れ上がったMR数が適正レベルにまで落ち着いたとも考えられる」との見解を述べている。

 CSO所属のコントラクトMR(CMR)数は増加傾向にある。18年の3614人から一貫として増加し、22年は4409人と4000人台に乗せた。製薬企業は本体のMR数を適正化し、固定費を抑えつつ、新薬上市など製品ポートフォリオの変化に応じて外部委託し、全体として必要な情報収集・提供活動を確保することが一般的になってきている。

 一方で、MR以外の情報提供チャネルの多様化も進んでいる。同センターは、「情報提供チャネルの多様化と効率化がどこまで影響するか、安全性情報収集の観点からも今後の動向が注目される」としている。

 新卒採用社は71社(35.5%)、未採用社は129社(64.5%)だったが、注目されるのは、71社の中の4社がMR認定試験合格者4人を採用していること。学生受験の合格者をMRとして採用していた。

 現行制度では、学生でもMR導入教育実施機関が提供するプログラムを受講・修了すれば受験資格が得られ、認定試験を受験できるようになっており、同センターは「今後この人数が増加することを期待したい」としている。

(2023年7月21日掲載)

【私立薬大協23年度調査】入学志願者数が再び減少‐倍率は前年からやや低下

 日本私立薬科大学協会がまとめた2023年度の私立薬科大学(薬学部)の6年制と4年制の入学志願者数は7万4826人と、8年ぶりに増加した前年度から1799人の減少に転じた。募集数に対する入試倍率は前年度からやや低下して6.7倍だった。倍率が10倍を超える人気大学は8校だった一方、1倍を切る大学も見られた。

 調査は、私立薬大協加盟の60校を対象に実施したもの。6年制学科と4年制学科を合わせた今年度の定員は計1万1176人で、22年度から115人減少した。6年制は1万0461人、4年制は715人。6年制については、明治薬科大が定員を60人増やしたが、新潟薬科大が50人、奥羽大と姫路獨協大が各40人、青森大と城西国際大が各20人、北陸大が5人定員を減らしたため、前年度から115人減少となった。

 募集数は、一般が6697人で174人減少した一方、推薦は4409人で88人増加した。

 志願者数は、一般が6万1008人(前年度6万2958人)、推薦が1万3818人(前年度1万3667人)と計7万4826人で、前年度から1799人減少した。志願者数が減少傾向にある中、前年度は8年ぶりに増加したものの、今年度は再び減少に転じた形だ。募集数に対する入試倍率は約6.7倍で、前年度の約6.8倍からやや低下した。

 入試倍率の詳細を見ると、6年制の一般は8.8倍(9.0倍)、推薦は3.1倍(3.2倍)、4年制は一般が13.2倍(11.9倍)、推薦が3.4倍(3.1倍)となった。

 総定員数と総志願者数から割り出し、入試倍率が平均の約6.7倍を超えた人気のある大学は20校となった一方、平均倍率2倍を切った大学は9校、1倍未満は1校だった。

 最も倍率が高かったのは近畿大の26.3倍で、次いで東京理科大16.3倍、立命館大14.7倍、武蔵野大14.6倍、星薬科大14.3倍、摂南大11.8倍、慶應義塾大11.3倍、明治薬科大10.3倍の順となり、10倍以上の競争率となった大学は8校で、前年度から1校減少した。

 6年制では、近畿大25.8倍、東京理科大19.5倍、立命館大15.4倍、武蔵野大14.6倍、星薬科大13.4倍、摂南大11.8倍、慶應義塾大10倍の7校となった。

(2023年8月21日掲載)

【日病薬/日薬】病院薬剤師俸給表創設を‐加藤厚労相に要望書

 日本病院薬剤師会の武田泰生会長と日本薬剤師会の山本信夫会長は、薬剤師俸給表の創設など病院薬剤師の処遇改善に関する要望書を、加藤勝信厚生労働相宛てに提出した。

 7月24日に、城克文医薬・生活衛生局長を通じて要望したもの。医療職俸給表(二)には、栄養士、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士等と共に薬剤師が適用されている。要望書では、薬剤師の初任給が6年間の専門教育を必須とする医師、歯科医師と比較して大きく下回っていると指摘。医師・歯科医師には初任給調整手当が適用されている一方で、薬剤師には適用がないため、薬剤師に対する初任給調整手当の適用も求めた。

 勤務薬剤師の給与は国家公務員の俸給表(医療職俸給表〈二〉)を使用するか、それに準拠して設定されていることが多く、薬局薬剤師との初任給額の格差が生じていることなどが報告されている。

 病院薬剤師と薬局薬剤師の初任給額について、病院では平均372万7000円、薬局では平均415万3000円と平均値で40万円以上の差も見られている。病院薬剤師と薬局薬剤師の給与は、全体として病院薬剤師の年収が薬局薬剤師を若干上回るものの、管理薬剤師と比較すると大きく下回っている状況にあることから、病院・診療所で薬剤師が採用できない現象を引き起こす主な要因の一つとなっている。

 日薬の山本信夫会長は8月9日の定例会見で、要望の実現は「容易ではない」としながらも、「病院薬剤師が病院の中で働いていることは評価しなくてはいけない。少しでも良い給与体系で働けるようにすることで薬物療法の質が上がっていく」と述べた。

(2023年8月18日掲載)



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