キャリア・ポジション代表取締役
西鶴 智香
Q
薬学部4年生です。以前、ある企業のインターンシップに参加した際、他大学他学部の学生と比べ、私は自分の意見をうまく伝えられず、言語化力が乏しいことに気づきました。来年には実務実習が始まり、その後就職活動も始まるので、今から自分に足りない力をつけておきたいと思っています。言語化力を高めるにはどうしたらいいでしょうか?
A
インターンシップで他大学他学部の学生と情報交換もしたのだと思いますが、自分に足りない力も気づけてよい経験になりましたね。実務実習では他の医療職の方とも関わるし、社会に出たら様々な患者さんやお客さんと関わりますので、今のうちに視野を広げておくことが大切です。
さて、言語化力、つまり自分が言いたいことを正しく伝える力を高めるにはどうしたらいいのでしょうか?まず前提として「自分の発言を相手がどう受け止めるか(評価と捉える方もいます)を気にしすぎないこと」「誤解されることを必要以上に恐れないこと」が重要です。誤解されたと感じたら、直後に説明を加えればいいだけです。正しく伝えようと考えすぎて言葉を何一つ発せられない学生さんには、私はいつもこうアドバイスしています。
スキル向上のためには、伝えるために使う言葉の表現法を増やすことです。そのためには覚えるしかありません。例えば、私たちは英語を話そうとする時に気づきますが、自分が伝えたいことを表現する英単語を知らないと話せませんね。日本語も同じです。今はインターネット等で、言葉の表現一覧のような情報をたくさん探せます。その言葉を知ったら、日頃から何度も使って覚えましょう。語彙力を増やす近道はなく、日頃から読書をしたり、他者から学んだりするしかありません。
咄嗟に考えがまとまらない時には、「どう伝えたらいいのか、最適な言葉を探しています」「どう表現していいかと整理しています」などと言い、その間に自分の考えをまとめると良いでしょう。
言葉にするのが苦手という前に、そもそも「伝えたい自分の意見がない」のかもしれません。その場合、「デジタル日記をつける」「日々気づいたことをメモする」等のトレーニングが有効です。テーマは何でもいいのですが、書く時には「何について」「どう感じたのか」を文章にすること。これは口頭で自分の意見を言う時と同じ構文ですから。どうぞ楽しみながらやってみて下さいね。