ニュースダイジェスト 「薬事日報」の紙面から

2024年1月20日 (土)

薬学生新聞

【販売制度検討会】濫用薬のネット販売規制へ‐取りまとめ案を大筋了承

 厚生労働省の「医薬品の販売制度に関する検討会」が昨年12月18日に開かれ、濫用の恐れのある医薬品の販売など医薬品販売制度の課題と具体策を示した取りまとめ案を大筋で了承した。20歳以下の若年者が濫用等の恐れのある医薬品を購入する場合は、オンラインまたは対面による販売が原則で、複数個・大容量製品は不可とし、小容量製品1個の販売のみに限定する。取りまとめ内容は今年から始まる厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会で審議し、25年以降に法改正実現を目指す。濫用の恐れのある医薬品の具体策は、法改正を待たず必要に応じて対応する方針だ。

 濫用の恐れのある医薬品は、対面またはオンラインによる販売を原則とする。薬剤師等が必要に応じて購入者に免許証や学生証等の写真付きの公的身分証の提示を求め、20歳以上であることの確認を行う。

 1人1包装単位の販売を原則ととし、特に20歳未満の人が購入を希望する場合は小容量製品1個の販売のみとした。20歳以上の人が小容量製品を複数個、大容量製品の購入を希望する場合には購入理由を確認し、適正使用のために必要最低限の数量に限って販売することとした。

 20歳未満による購入や、20歳以上による複数個、大容量製品を購入する場合は、身分証で氏名等を確認し、店舗における過去の購入履歴を参照して頻回購入でないかを確認する。販売後には、これらの情報や販売状況を記録し、その情報を保管するとした。

 焦点となったのは20歳以上の購入者に対する取り扱いだ。取りまとめ案では、小容量製品1個のみの販売であればオンラインや対面によらないインターネットでの販売を可としたが、この日の検討会で構成員からは「年齢で区切らず20歳以上の購入者に対してもネット販売を不可とすべき」との意見と、「ネット販売を認めるべき」との意見が真っ向から対立した。取りまとめでは両論併記する方向で調整する考えだ。

 陳列場所については、直接購入者の手の届く場所に陳列しないよう規制を強化する方向性を示したが、医薬品へのアクセスが損なわれることを危惧する構成員からの反対意見を追記した。

 また、一般用医薬品の分類・販売方法は「薬剤師のみが販売できる一般用医薬品」と「薬剤師または登録販売者が販売できる一般用医薬品」の二つの区分とした。薬剤師のみが販売できる一般用医薬品は販売時の情報提供を引き続き義務とする。

 薬剤師または登録販売者が販売できる一般用医薬品は、現行の「努力義務」では対応が現場任せとなり、十分な情報提供が行われていなかった実態を踏まえ、必要に応じて情報提供が実施されるようガイドラインなどで明確化する方針。

 一方、一般用医薬品の販売で、薬剤師が常駐した店舗から薬剤師が常駐しない店舗に対して、デジタル技術を活用した遠隔管理を行うことを認めるとした。

 管理可能な店舗については数店舗程度の上限を設定し、運用に問題がないか検証を行うと共に、管理店舗と受渡店舗のは当面の間は同一都道府県内に限ることとし、課題を検証した上で広範囲での連携を検証する。

(2023年12月20日掲載)

病院薬剤師の賃上げに対応‐診療報酬本体0.88%引き上げ

 鈴木俊一財務相と武見敬三厚生労働相は昨年12月20日、2024年度予算案の大臣折衝を行い、診療報酬改定率について医療の技術料に当たる「本体」を0.88%(国費800億円程度)引き上げることで合意した。このうち0.61%を病院薬剤師などの医療関係職種に対する賃上げ措置分、0.06%を入院時の食費基準額引き上げで対応する一方、生活習慣病を中心とした管理料、処方箋料等の再編等の効率化・適正化として0.25%の引き下げ財源を捻出。実質0.46%増と前回22年改定と同水準だった。0.46%分の各科改定率の内訳は医科0.52%増、歯科0.57%増、調剤0.16%増で、技術料に基づく各科の配分比率は「1:1.1:0.3」を維持した。

 診療報酬の本体部分はプラス0.88%だが、平均乖離率を踏まえて実施される通常の薬価改定で0.97%(国費1200億円程度)、材料価格改定で0.02%(国費20億円程度)引き下げるため、診療報酬全体では0.12%のマイナス改定となる。0.94%減となった前回改定からはマイナス幅が大幅に縮小した。

 薬価0.97%引き下げの内訳を見ると、革新的医薬品の薬価維持や有用性系評価の充実などの対応、約2000品目を対象とした不採算品再算定の特例的対応に充てる。

 今回は各医療職の賃上げにも対応した改定となった。実質0.46%増のうち、40歳未満の勤務医師・勤務歯科医師・薬局の勤務薬剤師、事務職員、歯科技工所等で従事する人の賃上げに資する措置分として0.28%が含まれ、その賃上げ分を除くとプラス0.18%となる。

 病院薬剤師の賃上げにも対応し、コメディカルに対する賃上げの特例的対応として0.61%増分を充てる。24年度にベースアップ2.5%、25年度に2.0%を確実に実施できるよう各職種への配分方法を工夫する。今回の改定による医療従事者の賃上げの状況、食費を含む物価の動向、経営状況等について実態を把握する。

 長期収載品の選定療養は24年10月に導入する。後発品の上市後5年以上経過したもの、または後発品の置き換え率50%以上になった長期収載品を対象に、後発品の最高価格帯との価格差の4分の3までを保険給付の対象(患者負担は4分の1以下)とすることで決着した。

 長期収載品の選定療養を導入した場合の財政効果は24年度に180億円、25年度に420億円程度を見込んでいる。

 また、▽調剤基本料の適正化▽医療DX推進による医療情報の有効活用等――については、中央社会保険医療協議会での議論を踏まえ、改革を進めていく。

(2023年12月22日掲載)

薬局への就職率3割切る‐病院は私立で持ち直し

 薬学教育協議会は、2023年3月に薬学部の6年制学科を卒業した学生に関する就職動向の調査結果をまとめた。その結果、保険薬局への就職が最も多かったものの、全体に占める割合は28.6%と低下傾向にあり、3割を切った。一方で、一般病院・診療所等の薬剤部に就職する学生は、私立で持ち直す傾向が見られたものの、国公立や自治体病院への就職は減少し、厳しい状況が続いていることがうかがえた。

 同協議会は、6年制学科卒業生9629人を対象に就職動向の調査を実施。就職した人は7932人(82.4%)を占め、前回調査の就職率81.3%からほぼ横ばいだった。

 前回調査に引き続き、6年制学科卒業生に占める割合が最も高かったのは保険薬局で、男性が919人、女性が1839人の計2758人(28.6%)が就職したが、前回調査より265人少なく、その割合も1.8ポイント低下した。

 ドラッグストアの調剤部門には男性が826人、女性が1068人の計1894人が就職し、前回調査の1896人(19.1%)からほぼ横ばいだった。

 病院・診療所薬剤部では、私立大学付属病院・一般病院・一般診療所が1412人(14.7%)と2.4ポイント増加したものの、公立大学付属病院・自治体病院・自治体診療所は272人(2.8%)、国立大学法人付属病院・独立行政法人病院は305人(3.2%)と減少した。

 企業では、医薬情報担当者(MR)が前回調査から20人少ない162人(1.7%)、開発・技術は、157人(1.6%)、研究・試験・製造は157人(1.6%)で、研究・試験・製造に就職した人は、前回調査の119人(1.2%)から伸長した。

 一般販売業(ドラッグストア等)は115人(1.2%)、卸売販売業は12人(0.1%)だった。

 一方、「就職せず」は404人(4.2%)、「未定(未報告を含む)」は1117人(11.6%)となり、就職しない人は前回調査より190人減少した。進学は172人(1.8%)だった。

(2023年11月29日掲載)

【薬局機能検討会】認定薬局あり方を議論へ‐離島などの医薬品提供も

 厚生労働省の「薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会」の初会合が昨年12月25日に開かれ、夜間・休日や離島・僻地での外来・在宅医療における薬剤提供や、認定薬局・健康サポート薬局に関する機能のあり方について優先的に議論することを決めた。厚労省は、年明けから議論を本格化させ、今年夏をメドに取りまとめたい考え。

 夜間・休日の緊急時や離島・僻地では、少子高齢化の進展によって医療需要が増大する一方、医療の担い手確保が難しいのが現状で、医薬品の提供が不十分な実態が見られている。そのため、昨年6月に閣議決定された規制改革実施計画では、実態調査を行った上で在宅患者がタイムリーに必要な薬剤を入手できるよう必要な措置を検討することを求めている。

 また、健康サポート薬局と2019年の医薬品医療機器等法改正で導入された地域連携薬局・専門医療機関連携薬局については、メリット、機能、位置づけなどが国民の目線から見て不明確などといった課題が指摘されていた。

 これらの現状を踏まえ、同検討会では、▽夜間・休日および離島・僻地での外来・在宅医療における薬剤提供のあり方▽認定薬局、健康サポート薬局など薬局機能のあり方――を優先的に議論することにした。座長には、和歌山県立医科大学薬学部の太田茂教授が就いた。

 一方、この日の検討会では、規制改革実施計画で早期の検討が求められていた一部調剤業務の外部委託について、法改正を含めた制度の整備をめぐって議論した。外部委託をめぐっては、大阪市や大阪府などによる国家戦略特区事業が提案され、厚生労働科学研究班が作成した暫定ガイドラインをもとに進められる予定となっている。

 厚労省が検討会で示した特区での対応案では、患者への説明と同意について、患者自身が対応できない場合は看護者の同意でも良いこと、監査支援装置の有無に関して、受託薬局から患者宅に直送しない場合でも受託薬局に一定の監査支援装置は必要などとした。

(2023年12月27日掲載)



HOME > 薬学生新聞 > ニュースダイジェスト 「薬事日報」の紙面から

‐AD‐
薬学生新聞 新着記事
検索
カテゴリー別 全記事一覧
年月別 全記事一覧
新着記事
お知らせ
アカウント・RSS
RSSRSS