わたしの「1日」~業界の先輩に聞く~ サンライトげんき薬局枚方駅前店 山本拓未さん

2024年1月20日 (土)

薬学生新聞

施設在宅の業務にやりがい

山本拓未さん

 山本拓未さんは、大阪府を中心に薬局32店舗を展開するアクセスライフに転職して2年目を迎える薬剤師だ。枚方市にあるサンライトげんき薬局枚方駅前店に所属し、昨年3月からは管理薬剤師を務める。「自分で考えて力を発揮することにやりがいを感じる」という山本さん。患者や多職種と距離の近い施設在宅の業務にやりがいを感じている。「これから薬剤師の仕事はもっと広がる。柔軟にチャレンジできるように力を付けたい」と思いを語る。

 昨年11月のある日。山本さんは8時45分頃に出勤した。医師の訪問診療に同行する日で、準備をした後、車で約25分かけて、枚方市内にある住宅型有料老人ホームに移動した。

 9時30分頃から同行を開始。医師、訪問看護師とともに入居者約45人の居室を訪問。1人あたり5~15分ほどかけて症状のほか、薬の効果や副作用などを確認した。

 施設への定期訪問は2週間に1回。医師の診察の結果、処方薬が変更、追加されるケースも少なくない。この日は医師から「血圧が高いままの男性の降圧薬を増量したい」と相談を受けた。ただ、この男性には少し前にCa拮抗薬「アムロジピン」とアンジオテンシンII受容体拮抗薬「アジルサルタン」を増量したばかり。さらに増量するのではなく、作用機序の異なる薬を追加した方がよいと考え、カリウム保持性利尿薬「エプレレノン」の追加を提案し、承認された。

 11時30分頃からは同行で得た患者情報や方針を改めて訪問看護師と確認した。医師と協議した内容、処方の変更や追加の時期などを約15分かけて確かめ合った。

 その後、入居者の処方薬をお薬カレンダーにセットし、13時頃に薬局に戻った。お昼休憩を挟み、14時から業務を再開。今回処方された薬の中でも、緊急を要する鎮痛薬や抗てんかん薬などを調剤し、再び施設に移動して配薬した。

 16時に薬局に戻り、医師の診療所からFAXで送られてきた処方箋の監査に取りかかった。同行時に付けていた記録と照らし合わせて不備の有無を確かめ、心配な点は疑義照会した。

 通常、同行した日の3日後に処方薬を施設に届ける。この日は監査を終え、調剤業務に一部着手したところで18時頃に業務を終えた。

 山本さんは2014年に大阪大谷大学薬学部に進学した。栄養機能食品の成分に興味を持ったことがきっかけで薬学の道に進んだ。中学、高校時代に野球部に所属し、日常的にプロテインなどを摂取していた。薬学を学ぶうちに、薬の作用、副作用、そのメカニズムなどにも興味を覚えるようになった。

 20年3月に同大学を卒業。過去にドラッグストアでアルバイトした経験などを踏まえ、大手ドラッグストアに就職した。

在宅医療で多職種連携

在宅医療で多職種連携

 1店舗目で主に外来、2店舗目で施設在宅の調剤にも取り組むようになった。「施設在宅では、入居者の経過を長く見られる。訪問診療の同行ではどうしたら良くなるかを医師と話し合えるため、処方提案もしやすい。薬について深く考えられる在宅医療の業務を好きになった」という。

 薬剤師業務の全体像を学んだ山本さんは、裁量の大きな環境で自分の力を試したいと中小薬局で働こうと考えた。やりがいのある在宅医療の仕事を続けられる場所を探し、全社的に在宅医療に力を入れているアクセスライフに転職した。

 22年9月から現在の店舗で働き始めた。薬剤師と事務員それぞれ2~3人の体制で、1日に外来の処方箋30~40枚を応需する。在宅では個人宅1軒と高齢者施設3軒を受け持つ。

 昨年3月から管理薬剤師を務め、6月からはブロック長も兼任している。近隣6店舗をとりまとめ、本社の方針を共有するなど橋渡し役を担う。本部との距離も近く、異なる店舗のスタッフと接する機会が多いのは中小の薬局ならではという。

 細かなマニュアルがあった大手ドラッグストアと違い、業務の裁量の幅も大きい。「マニュアルに頼ってばかりではなく、一つひとつの業務について自分で考えて取り組むようになった」と語る。

 中学、高校時代に所属した野球部では花形のショート、セカンドを守った。「かっこいいポジションでプレーしたかった」と山本さん。

 その気持ちは薬剤師になった今も変わっていない。「外来調剤では、処方箋の記載内容と聞き取る情報に限られ、患者を深く知ることができない。薬剤師として最低限の仕事をできたとしてもそれ以上は難しい。医師、看護師らと話し合える施設在宅は情報量が多く、やりがいが大きい」と語る。

 薬学生へのエールとして山本さんは「学生時代から、憧れてもらえるかっこいい薬剤師になりたいと思っていた。自分なりの目指す薬剤師像やビジョンを持って頑張ってほしい」と話している。



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