【薬学生 キャリア相談Q&A】「ガクチカ」に書くことがありません

2024年4月15日 (月)

薬学生新聞

キャリア・ポジション代表取締役
西鶴 智香

西鶴智香氏

Q

 就活準備をしている薬学部4年生です。今のうちにエントリーシートの書き方など準備をしておこうと思っているのですが、「ガクチカ」に書くことがないと気づきました。いったい何を書いたらいいのか、アドバイスをお願いします。

A

 ガクチカって「学生時代に力を入れたこと」のことですね!「ガクチカ」のことは、エントリーシート、面接においては必ず聞かれることですので、今から準備しておくといいですね。

 まず、なぜ面接で「ガクチカ」を聞かれるのかを想像してみてください。面接官は、その質問から何を知ろうとしていると思いますか?ある調査で、企業が学生に対し「不足していると思う能力」について質問したところ、「主体性」「コミュニケーションスキル」「粘り強さ」という回答が上位でした(経済産業省2010年調査、詳しくは拙著「薬学生のためのキャリアデザインブック」第8章参照)。この三つは、社会に出てどの職業に就いても必要とされる力です。

 面接では、その力をどの程度身に付けているのかを確認するための方法の一つとして、「ガクチカ」を質問し、[1]その力を身に付けている人物か[2]どのように力を発揮してきたのか――を知ろうとしています。そういう目的の質問ですので、それをアピールする応答をすればよい印象を与えることができる、ということです。

 「ガクチカ」に書くことがないと悩んでいるようですが、この4年間で「自ら主体性を持って、粘り強く取り組んだこと」はありませんか?面接とは、もちろん他の応募者との比較をしますが、決してそれだけではなく、応募者の魅力を見つけようとしてくれる場でもあります。学生は、「こんな小さな経験なんて、ガクチカには相応しくない」「勉強は頑張ったけど、それは誰もやっていること」などと思い込んでいるだけで、実際の面接官は経験内容だけで決して判定しません。内容を気にせずもう一度振り返ってみてください。

 それでも「力を入れたことなんてないかも」と思ったら、今日これからすぐ、何かに挑戦してみて。社会に出ると、毎日挑戦せねばならないことだらけ。会社や患者の問いかけからは逃げられない。挑戦してみて、たとえ失敗したとしても、そこから気づいたことや自分が変革できたことを伝えられるようにすることが大事です。上位三つに加え、その経験をしたことによって「進化した自分」をしっかりアピールしましょう。



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