【神奈川県薬】薬学生向けにトライアル開始‐地域貢献活動を体験

2024年6月15日 (土)

薬学生新聞

神奈川県薬幹部とトライアルメンバーがディスカッション

神奈川県薬幹部とトライアルメンバーがディスカッション

 神奈川県薬剤師会は関東圏内の薬学生5~6年生、卒後1~3年目の薬剤師を対象としたルーキー会員トライアルメンバーの活動を行っている。正会員になる前に県薬の活動を体験でき、最長6年間無料で入会できる制度だ。

 薬剤師会は日本薬剤師会、都道府県薬剤師会、市町村の地域薬剤師会と3層構造で構成された職能団体。会員の高齢化が進み、若手薬剤師の入会率向上が課題となっており、神奈川県薬もトライアルメンバー制を開始した。

 トライアルメンバーは昨年度の1年間、県民向けの健康測定会や献血推進活動、「ダメ。ゼッタイ。」普及運動街頭キャンペーン、薬物乱用防止「成人の日」街頭キャンペーンなどに参加した。「トライアルメンバーとして活動できて良かった」「他大学の人たちと交流できて良かった」など喜びの声が聞かれた。

 4月にはトライアルメンバーである19人の薬学生と若手薬剤師が集まり、初の交流会を開催した。活動報告を行った昭和大学薬学部の橘彩夏さんは、「活動をするたびに感じたのは、薬剤師は地域のためにこんなに活動をしているのかということ。薬剤師の地域貢献は在宅や学校薬剤師というイメージが強くあったが、神奈川県薬の皆さんは様々な場所で活動しており、イメージは大きく変わった」と話した。

 トライアルメンバー29人を対象としたアンケート調査では「薬剤師会に入会したい」19人、「入会したくない」1人、「どちらともいえない」9人と、半数以上が入会意向を示した。

 薬剤師会に入会するメリットは、「トライアルメンバーとしての活動を通じて、神奈川県の医療に薬剤師の立場で貢献したいと思ったから」「薬局では限りがある患者の相談対応や、健康イベントなど活動の幅が広げられる」などを挙げる声が多かった。

 また、「所属先以外のコミュニティを持っていないため」「自分自身が入手できる情報の幅が広がると感じられたため」「研修会に参加できるため」など人脈を広げたり、情報収集を行う点で薬剤師会に所属する意味を見出していた。

 一方で「いろいろな人脈を作れるのは良かったが、単位を取ることで将来にどう生かせるかなどがまだ不透明。今後のメリットなどを考え、入会を検討しようと思う」との意見もあった。

 薬剤師には薬物治療への関わりに加え、地域住民からの健康相談や在宅でのケアなど地域医療で幅広い活躍が求められている。大学薬学部で臨床について学ぶ機会が増える中、一般の人と触れあう健康イベントなどの地域活動を体験する機会は限られている。

 神奈川県薬以外にも学生会員制度を設けている都道府県薬はある。卒業後に薬剤師として働く前に一度活動を体験してみるのも良いかもしれない。



HOME > 薬学生新聞 > 【神奈川県薬】薬学生向けにトライアル開始‐地域貢献活動を体験

‐AD‐
薬学生新聞 新着記事
検索
カテゴリー別 全記事一覧
年月別 全記事一覧
新着記事
お知らせ
アカウント・RSS
RSSRSS