【国試予備校の現場から】完璧主義より完了主義

2024年6月15日 (土)

薬学生新聞

メディセレスクール社長
児島 惠美子

児島惠美子氏

 こんにちは。メディセレのしゃっちょう、児島惠美子です。

 薬剤師国家試験対策に関わる者としていつも気になっていることがあります。それは皆さんのそもそもの考え方です。

 国試は6年間の集大成ですので、試験範囲は膨大です。薬学部に入学した人は基本的に真面目な人が多いので、「完璧主義」者が多いのです。となると、膨大な範囲を完璧にできるのかという問題にぶち当たり、自分の首を絞めていきます。そう、完璧にこなすのは無理なのです。「よーし頑張るぞう!」という気合で片付く量を越えています。「根性だぁ!」という根性論も通じません。

 国試において大切なのは根性でも気合でも完璧主義でもなく、「完了主義」です。とりあえず、全体像を知る。とりあえず、終わらせてみる。これです。満点を取る必要はないのです。でも、足切りに引っかかってはいけないのです。すべての科目をある程度解ける、これが合格の秘訣なのです。

 国試に落ちた人のうち「時間が足らなかった」という人が一番多いです。では、次年度の国試を受ける時には十分わかった上で取り組むのですから、時間は前回より十分ありますねという状況になるはずですが、「時間が足らなかった」とまた言う人が多いです。これは時間が足りないのではなく、完了主義ではないからです。学問というものは奥深いものです。きりのないものです。だから時間が足りることは永遠にないのです。勉強に限らず仕事もそうですが、「限られた時間に終わらす」ということが必要なのです。

 現役生の皆さんも、勉強は奥が深いものなので、限られた時間で全体を終わらせるということを目指してください。全体を知った上で、次回は自分の苦手があぶり出てきているので、そこの補完をしていく。自分の弱点を減らしていくと合格に近付いていきますし、仕事もできる人になっていきますよ。



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