キャリア・ポジション代表取締役
西鶴 智香
Q
就活前の準備としてまずは自己分析に取り組んでいる薬学部4年生です。自分のやりたいことって何だろうと整理しているのですが、私が得意としていることとはどうも違います。どちらを優先して就活をしたらいいのでしょうか。
A
自己分析する際には、「やりたいこと=Will」と「自分ができること=Can」を分けて考えてみましょう、と私はよく伝えています。今回は、その二つに違いがあるということですね。どちらを優先すべきか、もちろんどちらも適当だと思いますのでこの場合、正解はありません。
例えば、英語が得意だとしましょう。それもかなり得意で、就活の面接などでは他者より優位性をアピールできるくらいだとします。ただ、自分がやりたいことは英語を使った仕事ではなく、心理カウンセリングの仕事だと仮定します。さて、どちらを選べばいいでしょうか。
仕事は人生の半分以上の時間を費やすものです。できれば、やりがいを感じるものを見つけたほうが、人生の満足度は上がると考えます。まずはやりたい仕事を優先して動くことをアドバイスしたいと思います。
ただし、[1]その仕事に就けなかったらどうするか[2]いつまで諦めずに動くか――を考えておくといいかと思います。俳優や弁護士等、何年も費やしてその職を目指す方は多くいるようですね。いつまでそれを追い求めるのかは決めておくといいのではないでしょうか。
万一、夢が叶わなかった場合は、「自分ができること」である得意な英語力をアピールしてまずは就職し、働きながら再度、チャンスを待つこともできるわけです。カウンセリングはアメリカが本場、得意の英語を使って収入を得ていれば、それを元手に資格取得など学び直すこともできるでしょうし、その中で人脈も作ることができると想像します。
キャリアデザインは一度で終わりではなく、20代はこれ、30代はこうしたい、40代では……、といつでもチャレンジし直すことが可能です。ちなみに私は、なりたかったジャーナリストに就職試験ですべて落ちてなれず、まずは得意なコミュニケーション力を使ってコンサルタントとして就職。大学卒業後15年経過したところで薬事日報社さんと知り合い、その縁でこうやって連載の仕事をいただけて、30代後半以降でやりたかった「伝える仕事」で自己実現ができました。さあ、動いてみましょうか!動きながら、再度整理してみて!