エムスリーは、医療従事者の専門サイト「m3.com」の医師会員約25万人のネットワークとITサービスで“治験のe化”を推し進めると共に、CRO・SMO事業会社を買収し、国内の治験支援市場に攻勢をかける。SMO3社を統合した「eSMO」(イスモ)をスタートしたほか、今年2月にCRO「メディサイエンスプラニング」を完全子会社化し、本格的な業務受託体制を整えた。エムスリーの吉田裕彦取締役は、本紙のインタビューに応じ、「労働集約型の治験ビジネスに風穴を開け、ITのプラットフォームを武器に、日本国内から治験を変革する基盤が整った」と語った。
エムスリーは、「m3.com」の医師会員約25万人に対して、ITを活用したeディテーリング「MR君」を提供し、実績を上げてきた。その後、製薬企業向けの営業支援から治験事業に参入。インターネット上から治験参加意向を示す医師を探し、効率的な症例登録につなげる「治験君」のサービスを開始した。海外に比べ治験のコスト高が叫ばれる中、吉田氏は、「ITのプラットフォームを使うことにより、欧米と同じ費用で速く治験を実施できる」と話す。