国立がん研究センターは7日、局所進行・再発乳癌患者を対象とした核酸医薬の医師主導治験を開始したと発表した。同センターが見出した乳癌の治療抵抗性に関わる遺伝子を標的に、国内バイオベンチャーのスリー・ディー・マトリックスと核酸医薬を共同開発し、世界で初めてヒトに投与する医師主導第I相試験をスタートさせた。
同センター研究所の落合孝広分子細胞治療研究分野長は、乳癌の治療抵抗性に関わる分子として、2008年にRPN2遺伝子を発見した。これまでの研究により、乳癌の予後とRPN2遺伝子の発現が相関することやRPN2遺伝子の発現を減らす働きをするsiRNAを癌細胞に導入することで、乳癌細胞の抗癌剤耐性や増殖を抑えられることが分かった。