北里研究所は、同病院バイオメディカルリサーチセンターで実施中の第I相試験で健康成人ボランティアのナトリウム値を改ざんしていた問題で、第三者調査委員会がまとめた報告書を公開した。内部告発したクリニカルトライアルユニットに勤務する臨床検査技師は、上司の指示を受け、手入力でデータ改ざんを実行したことが判明。以前から同センターにおいて、基準値に入るよう再検査を繰り返す慣行に抵抗を感じていたと証言しており、同センターでは第I相試験の被験者を組み入れるため、基準値に入るよう恒常的に再検査を繰り返すなどの行為を行っていたことが明らかになった。
同ユニットは、昨年に実施した第I相試験で、健康成人ボランティアのナトリウム値のデータを改ざんしていた。プロトコールに定められた被験者の選定基準を逸脱し、本来は除外すべき健康成人1例を治験に組み入れていた。