薬業界 最近のトピックス

2015年9月1日 (火)

薬学生新聞

日本薬学教育学会が発足へ‐来年8月には初の学術大会

 設立に向けて準備が進められてきた「日本薬学教育学会」が来年8月下旬に初の学術大会を開催し、正式に発足することが6月26日の全国薬科大学長・薬学部長会議で承認された。

 学会の設立をめぐっては、まず私立薬大協を中心に準備委を立ち上げ、昨年末に全国薬大会議の了承を得ていたが、関係団体の意見を幅広く集約するため、関係団体の意見を協議する場として、新6者懇メンバーなど10団体からなる「設立準備連絡会議」を新たに設置し、全国薬科大学長・薬学部長会議の下に位置づけた。

 連絡会議の座長には、準備委員長を務めていた笹津備規氏(東京薬科大学学長)を選任。文部科学省と厚生労働省がオブザーバーとなる。日本私立薬科大学協会を中心に設置した設立準備委員会は、連絡会議のワーキンググループとする。今夏から連絡会議を定期開催し準備を進め、来年設立を目指す。

 連絡会議を構成するのは、▽国公立大学薬学部長(科長・学長)会議▽日本病院薬剤師会▽日本薬剤師会▽薬学教育協議会▽日本薬学会▽日本薬剤師研修センター▽全国薬科大学長・薬学部長会議▽薬学教育評価機構▽薬学共用試験センター▽日本私立薬科大学協会――の10団体。

【私立薬大協15年度調査】5年ぶりに志願者減少‐薬系大学の人気も一段落

 日本私立薬科大学協会がまとめた2015年度の私立薬科大学(薬学部)入学志願者調査の結果、入学志願者数は11万5726人と前年度に比べて5705人少なく、5年ぶりに減少に転じた。昨年度まで4年連続で志願者数が増え続けていた薬学人気も一段落したようだ。ただ、募集数に対する入試倍率は、全体で10.1倍と昨年度並みに高く、競争率の高い状況が続いている。

 調査は、私立薬大協加盟の57校(徳島文理大香川を含む)を対象に実施されたもの。今年度の定員は1万1464人と前年度の1万1389人から75人と若干増加し、減少傾向に歯止めがかかった格好となった。

 志願者数は、一般9万9335人(前年度10万4674人)、推薦1万6391人(1万6757人)、合計で11万5726人と昨年度から5705人減少した。志願者数は、ここ数年は二桁の伸びで増え続ける勢いが続いていたが、一転して5000人以上の減少に転じ、高止まりしていた薬学人気も一段落したようだ。

 最も倍率が高く狭き門となったのは、近畿大で36.9倍(38.5倍)、次いで武蔵野大が29.5倍(32.5倍)となった。前年度に比べると倍率が下がったものの、依然として高い人気を誇っている。高倍率の上位校を見ると、摂南大26.2倍(26.2倍)、神戸学院大21.3倍(21.2倍)、東京理科大20.0倍(21.8倍)と続いている。

 また、10倍以上と競争率が高かった大学は、帝京平成大16.2倍(17.2倍)、星薬科大15.6倍(16.6倍)、崇城大15.1倍(13.0倍)、慶應義塾大14.6倍(15.1倍)、福岡大14.1倍(15.2倍)、神戸薬科大13.9倍(14.0倍)、帝京大13.6倍(19.4倍)、明治薬科大13.6倍(13.8倍)、立命館大13.4倍(21.9倍)、横浜薬科大13.2倍(7.7倍)、昭和薬科大12.0倍(14.4倍)などで、中でも横浜薬科大の倍率が急上昇しており、高い人気を集めていた。

 なお、倍率は4年制と6年制を区別せず、総定員数と総志願者数から割り出した。

【人事院】薬剤師初任給、20万5300円‐2年連続で引き上げを勧告

 人事院は8月6日、2015年度の国家公務員給与である月例給(基本給)を0.36%、ボーナス(期末・勤勉手当)も0.1カ月分引き上げるよう国会と政府に勧告した。4月分の減額前給与が民間より下回ったことから、俸給表の水準を引き上げる。病院等に勤務する薬剤師は医療職俸給表(二)が適用され、6年制薬剤師の初任給(2級15号俸)は20万5300円となり、昨年に比べて2600円アップした。引き上げ勧告は2年連続となる。

 国家公務員の給与は、民間企業の4月分の給与を調査した上で比較し、官民差を埋めることを基本に勧告を行っている。特別給(期末・勤勉手当)についても、民間ボーナスの過去1年間の支給実績を把握し、国家公務員の支給月数を合わせている。

 給与勧告を行うため、全産業をカバーする全国約1万2300の民間事業所の約50万人を対象に個人別給与を調査した。それによると、今年4月の減額前の国家公務員給与は民間を1469円(0.36%)下回り、ボーナスは昨年8月から今年7月までの民間の支給割合が4.21カ月に対し、公務員の支給月数は4.10カ月と下回ったことから、民間の支給割合に見合うよう0.1カ月引き上げることにした。

 病院等に勤務する薬剤師は、栄養士等と共に医療職俸給表(二)が適用される。薬剤師の初任給は20万5300円と、昨年度より2600円アップしたものの、今年の民間給与調査では、企業規模100人以上500人未満で22万6242円、500人以上は22万2592円で、民間との差は広がる傾向にある。

 今年の国家公務員給与等実態調査では、医療職俸給表(二)の適用職員数は462人で、平均年齢は45.4歳と昨年に比べて0.5歳上がり、平均経験年数も20.6年と0.5年増えた。

【厚労省】“健康情報拠点薬局”構築へ‐9月中に基準を作成

 厚生労働省は6月4日に「健康情報拠点薬局(仮称)のあり方に関する検討会」(座長:西島正弘昭和薬科大学学長)の初会合を開き、地域の健康情報拠点としてふさわしい薬局の基準作りに向けた議論を開始した。

 会議は、政府の日本再興戦略に盛り込まれている「薬局・薬剤師を活用したセルフメディケーションの推進」「充実した相談体制や設備などを有する薬局を住民に公表する仕組みの検討」を踏まえ、健康情報拠点としてふさわしい薬局の「定義・名称」「基準の策定」「公表の仕組み」を検討するために設置された。

 本来のかかりつけ薬局の機能に加え、一般用医薬品や医療・衛生材料などを販売し、地域住民の相談にも応じるなどの機能を拠点薬局が備えることを念頭に、具体的な定義や基準などについて議論。基準を満たした薬局を地域住民に周知するための仕組みも検討し、9月中をメドに取りまとめる予定となっている。



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