日本薬剤師会相談役の漆畑稔氏は10日、東京都薬剤師連盟主催の政経セミナーで次期調剤報酬改定の方向性について講演した。改定内容が実質的に決まるのは今後2カ月間であり「非常に多くの努力は必要だが、チャンスはある」と述べ、“上手”に政治を利用する必要があるとした。また、政治力強化のためには組織力強化が課題とすると共に、政治力で日本医師会と差がついている背景として組織率を挙げ、「現在のような3分の1程度では職能を代表しているとは言い難い。少なくとも(日医並みの)半分は捕捉する必要がある」と強調した。また、最近の日医の動きについて「目的を持って仕掛けている」と指摘した。
漆畑氏は、今回の改定も財源が厳しい中で予算上はマイナスという雰囲気であり、調剤に関してはネガティブな材料しかないと指摘。しかし、「次期改正以降、2025年の地域包括ケアシステムを作っていくための改定であり、この中で薬局、薬剤師も機能してほしいと期待されている。従って、地域包括ケアの構築に関連するものであれば、医科・歯科・調剤にかかわらず評価することになる。特に在宅医療の推進が焦点となる」と見通した。