一般社団法人日本老年薬学会(代表理事:東京大学大学院医学系研究科秋下雅弘教授)が4日に発足した。高齢者に対する適切な薬物治療の実践を、医師と薬剤師、薬学研究者らが共同で研究する場として設立された。老年薬学認定薬剤師、専門薬剤師制度を構築し、この領域に詳しい薬剤師の育成も進める。同制度の骨格は今月中旬に固まる見通しだ。
高齢者は複数の疾患を併発しやすく、ポリファーマシー(多剤併用)に伴って副作用が発生するリスクが高まる。また、認知機能や視覚機能などの低下によって、服薬アドヒアランスが低下し残薬が増えるなど、高齢者特有の様々な課題がある。これらの課題克服に向けた研究を進める場として、日本老年薬学会が設立された。ADLの低下を防ぐ予防医療分野における多職種連携のあり方、地域包括ケアシステムにおける薬局や薬剤師のあり方の研究と実践などにも取り組む。