病院と薬局の薬剤師が情報共有を強化している事例が13日、大阪市で開かれた近畿薬剤師学術大会で報告された。広域で統一様式が策定されたトレーシングレポートを活用し、薬局薬剤師から積極的に情報を発信したり、病院に直接出向いて熱意を伝え連携が円滑になったりするなど、両者の連携強化によって患者のアドヒアランス向上や安全な薬物治療の実施、薬剤費の削減が実現していることが示された。
滋賀県薬剤師会会営薬局の小杉奈緒氏は「滋賀県版施設間情報連絡書」(トレーシングレポート)を活用し、病院などに積極的に情報を提供していると語った。
同連絡書は、日本薬剤師会の様式を一部改変し、滋賀県病院薬剤師会と滋賀県薬が連携して作成したもの。▽処方箋▽OTC・サプリメント等の使用▽調剤上の留意点▽副作用歴・アレルギー歴▽服薬状況▽その他特記事項――などの記入欄が設けられている。