【国試予備校の現場から】資格さえあれば安泰?

2018年5月1日 (火)

薬学生新聞

メディセレスクール社長
児島 惠美子

児島惠美子氏

 こんにちは。今回から再びこのコラムを担当するメディセレのしゃっちょう、児島惠美子です。さて、日本には様々な国家資格がありますが、資格さえあれば人生は安泰でしょうか?この先、皆様の前に立ちはだかる薬剤師国家試験。それを迎える前に一緒に考えてみましょう。

 国家資格として私がまず思い浮かべるのは医師です。今年の医師国家試験合格率は90.1%でした。歯科医師国家試験の合格率は64.5%、薬剤師は70.58%でした。医学部に入るのは東大に入るより難しいと言われていますので、医学部に入った後は9割の人が医師になれると知り、少しホッとしました。しかし「なってからの方が大変」という話を医師からよく聞きます。患者さん対応、スタッフとの関係、組織人としての役割、社会人としての責任…。ご苦労の多い職業でもあります。

 他に国家資格として有名なのは司法試験。今年の合格率は25.8%でした。司法試験は合格順位が発表され、3年以内の合格者は優遇されるそうです。順位の良い人しか裁判官になれないとか、せっかく合格しても順位が悪かったり、合格までに10年かかっていたりすると就職先がないこともあると知り、驚きました。

 もう一つ難しい試験としては公認会計士があります。合格率はなんと11.2%!弁護士も会計士も難関を経て資格を取得なさいますが、年収は非常に個人差が激しく、300万~3000万と幅があります。弁護士は正義のために戦うだけでなく、依頼主に応じて不本意な弁護をすることがありますし、会計士も顧問先の倒産に巻き込まれることがあります。風俗専門の会計士がいるように、依頼主あっての仕事です。

 そう考えると資格だけで食べていけるのではなく、人格で食べていくのだと思います。依頼者の心に寄り添い、期待にどれだけ応えられるか。それは薬剤師も同じです。薬剤師の資格を取ったら安泰!ではなく、薬の知識という武器を持ち、患者さんの気持ちに寄り添える薬剤師になれるよう、共に学んで行きましょう。



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