【日本薬学生連盟第19回年会】薬の課題、若い感性で考える‐議論や交流通じ「わ。」広がる

2018年5月1日 (火)

薬学生新聞

多くの学生が参加した年会

多くの学生が参加した年会

 日本薬学生連盟は、3月17、18日に国立オリンピック記念青少年センターで第19回年会「薬学生の集い」を開催した。今回のメインテーマは「わ。」。全国から300人超の学生が参加し、基調講演や特別講演、学生同士が議論し語り合うワークショップや、普段は聞けない内容のトークライブと多彩な企画が目白押しで、若いパワーが炸裂した2日間となった。

 若者の目線からテーマを考え、企画から実施まで手作りの一大イベントとなった第19回年会。今回のメインテーマ「わ。」について、学生が連想するイメージを覗いてみると、「平和」「輪」「笑顔」「あたたかい心」「ベンゼン環の“わ”」「広がり」など様々だ。参加者それぞれの考え方を大事にしながら、学生間で交流・理解を深め、既存の価値観にとらわれずに、学生視点での発信に結びつけていく場。ワークショップが始まると、会場内のあちらこちらで大きな「わ。」が咲いた。

 HIVという疾患、抗菌薬が効かない多剤耐性菌をめぐる社会的な問題を真剣に考える。将来、医療現場に求められる薬剤師像について、みんなで意見を出し合う。これらは答えが見つかっていない難しい問題ばかりだが、学生の感性から答えに近づけていく。一生懸命に説明したり、その意見を聞いて深く頷いたり、その表情は真剣そのものだが、良いアイデアが生まれ、議論が前進したときには自然と拍手が起こり、笑顔がこぼれた。

 今回、各学年ごとにワークショップを企画。「3年生企画」では、医薬品の知識が乏しい相手に、薬の作用機序を理解してもらうための最適な説明の仕方を考えるテーマを設定。数チームに分け、メンバーがグループディスカッションを通じて意見を出し合い、それぞれのチームによる発表も行われた。

 学生企業家や学生団体トップ、海外経験のある学生などがそれぞれの経験を伝えるトークライブも盛り上がった。コンセプトは「多様性」。患者を主題にした内容や、中には性の多様性を意味する“LGBT”をターゲットにした刺激的な内容もあり、普段の授業ではなかなか教えてもらえない話に、学生は興味津々だったようである。

 有識者による講演も行われた。1日目午前の今井博久氏(東京大学大学院医学系研究科地域医薬システム学講座教授)が、「薬剤師の可能性~薬の引き算とは」とのテーマで特別講演、最終日には、佐谷圭一氏(元日本薬剤師会会長)が「これからを生きる薬学生への道しるべ」とのテーマで基調講演を行い、学生にとっては多くの刺激がもらえる機会となった。

薬剤や医療の課題について意見を出し合う
薬剤や医療の課題について意見を出し合う

薬剤や医療の課題について意見を出し合う

各地の支部の活動を紹介

各地の支部の活動を紹介

有識者による講演も行われた

有識者による講演も行われた



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