ニュースダイジェスト

2020年1月1日 (水)

薬学生新聞

改正薬機法が成立‐先駆け審査など明確化

 医薬品医療機器等法(薬機法)改正案が昨年11月に、参院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立した。改正薬機法では、医薬品・医療機器を安全かつ迅速に提供するため、「先駆け審査指定制度」「条件付き早期承認制度」を法律上明確化する一方で、添付文書情報の提供を原則電子化し、医療用医薬品の最新情報を迅速に現場に届けるようにして安全対策の強化を図る。また、虚偽・誇大広告による医薬品販売に関する課徴金制度、医薬品等行政評価・監察委員会の創設などを行う。薬剤師による継続的な服薬指導を義務化するなどの措置も講じる。

 医薬品・医療機器の迅速な提供に向けては、世界に先駆けて開発される医薬品・医療機器や、患者数が少ないなどの理由により、治験が困難な医薬品・医療機器を患者に速やかに届け出るための承認制度の創設を行う。

 具体的には、革新的医薬品などが選定される先駆け審査指定制度の対象となる品目を「先駆的医薬品」、小児用量が設定されていない医薬品など医療上のニーズが著しく充足されていない医薬品を「特定用途医薬品」として薬機法に位置づけ、いずれも優先審査などの対象となるような措置を講ずる。

 製造販売業者に対しては、医薬品・医療機器の外箱に添付文書情報にアクセスできるQRコードの表示を義務化するなどして安全対策を強化する。

 医薬品を供給する薬剤師・薬局が地域の中で専門性に基づく役割を発揮するための措置も講じる。患者が適切に医薬品を服用できるよう薬剤師に対して調剤時に限らず、必要に応じてその後も患者の服用状況の把握や服薬指導を行うことを義務づける。

 患者自身が自分に適した薬局を選択できるようにするため、入退院時などに他の医療施設と連携して対応できる機能を持つ「地域連携薬局」、癌などの専門的な薬学管理に対応できる機能を持った「専門医療機関連携薬局」に分類し、一定の要件を満たした上で、都道府県知事が認定すれば名称表示できるようにする。また、一定のルールのもとで、テレビ電話等による服薬指導を新たに認める。

18年度末、全国の薬局数0.8%増‐西日本で多い傾向

 厚生労働省は、2018年度の衛生行政報告例の結果をまとめ公表した。18年度末時点の薬局数は5万9613カ所と、前年度より475カ所(0.8%)増加。人口10万人当たりの薬局数は佐賀県、山口県、広島県の順で前年度から変化はなく、薬局数は大阪府、埼玉県、東京都の順に増加数が多かった。

 人口10万人当たりの薬局数は47.1カ所で、前年度に比べて0.4カ所多かった。都道府県別に人口10万人対薬局数の推移を見ると、最も多かったのが佐賀県の63.4カ所で、5年連続で最多となった。次いで山口県の58.5カ所、広島県の57.3カ所、福岡件の57.1カ所で、前年度から順位に変化はなく、西日本で多い傾向も同様だった。一方、最も少なかったのは福井県の37.9カ所で、千葉県の39.1カ所、埼玉県、沖縄県の39.4カ所が続いた。

 都道府県別の薬局数で、前年度より高い増加率を示したのは、奈良県の3.1%で、富山県の2.5%、静岡県の2.4%、滋賀県の2.3%、埼玉県の2.1%の順で、全国の増減率は0.8%だった。

 また、増減数を見ると、前年度より最も薬局数が増加したのは大阪府の78カ所で、次いで埼玉県の59カ所、東京都の56カ所、神奈川県の52カ所と、関東地方で増加している傾向が見られた。

医薬品から相次ぎNDMA‐各社、自主回収など対応

 医薬品の原薬に発癌性物質であるN-ニトロソジメチルアミン(NDMA)が混入し、自主回収に追い込まれた。抗潰瘍薬「ラニチジン」(製品名:ザンタック)が発癌性物質である微量のNDMAが検出され、欧米規制当局が安全性評価を開始したことを受け、国内11社が自主回収した。また、ラニチジンの類似化合物「ニザチジン」では一部事業者が自主回収したほか、2型糖尿病治療薬「メトホルミン」でも海外で微量のNDMAが検出され、厚生労働省が国内メーカーに対し、メトホルミン含有製剤に混入の有無を分析するよう指示した。

 厚労省は昨年9月、ラニチジンまたは同剤と類似の化学構造を持つニザチジンを販売する製薬企業に対し、NDMA混入の有無を分析するよう事務連絡を発出。ラニチジンについては予防的措置から各社が自主回収した。各社は同剤を服用している患者の手元にある薬剤を回収し、医療機関で代替薬に切り替えるよう呼びかけており、再診費用や通院に伴う交通費を含めた代替薬の費用については、製品を販売している各社が負担する措置を取っている。

 ニザチジンについても国内市場に供給した製品ロットで管理水準を超えたNDMAが検出され、一部事業者が自主回収に踏み切った。さらに12月にはメトホルミン含有製剤でも海外で微量のNDMAが検出され、厚労省が国内メーカーに分析するよう指示した。

診療報酬本体0.55%引上げ‐大型門前削減など「外枠」なし

 4月の診療報酬改定率が決定した。麻生太郎財務大臣と加藤勝信厚生労働大臣は昨年12月17日、来年度予算案の閣僚折衝を行い、医療の技術料などに当たる「診療報酬本体」を0.55%(国費+600億円程度)引き上げることで合意した。このうち、0.08%を特例的な対応として救急病院勤務医の働き方改革に充て、消費税財源を活用。残る0.47%分の各科改定率の内訳については、医科0.53%増、歯科0.59%増、調剤0.16%増で、技術料割合に基づく医科:歯科:調剤の配分比率は「1:1.1:0.3」を維持。改定率の外枠で大型門前薬局等の報酬を削減するなどの対応は行われなかった。

 今回、診療報酬の本体部分はプラスとなったが、平均乖離率を踏まえ実施される通常の薬価改定で0.99%(国費1100億円程度)、材料改定で0.02%(国費30億円程度)引き下げられることから、全体では0.46%のマイナス改定となる。

 薬価0.99%引き下げの内訳については、実勢価等改定でマイナス0.43%(国費500億円程度)、2020年度薬価制度改革による市場拡大再算定の見直し等の影響で0.01%(国費10億円程度)などとなっている。

 過去2回の診療報酬改定では、本体プラス改定の財源捻出策の一環として、改定率の「外枠」で大型門前薬局の報酬削減やOTC類似薬の使用制限などの対応が行われており、18年度改定では「いわゆる大型門前薬局に対する評価の適正化」として国費で60億円程度が削減された。20年度改定では、こうした外枠で財源を捻出する対応について「行っていない」(厚労省)としている。



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