【国試予備校の現場から】外国籍薬剤師の活躍に期待

2022年11月15日 (火)

薬学生新聞

メディセレスクール社長
児島 惠美子

児島惠美子氏

 こんにちは。メディセレのしゃっちょう、児島惠美子です。ロシアとウクライナの戦争や北朝鮮のミサイル発射、円安の話など世界情勢の話が耳に入る一方、日本は海外の動向に過敏にならずに過ごすことのできる島国です。私は2007年からカンボジアの医療支援やベトナムの支援を手がけていますが、発展がすさまじい国と閉塞感のある日本の両面を実感する機会があります。

 メディセレスクールには、日本国籍以外の学生が来てくれることがよくあります。ある韓国籍の男子学生は、薬剤師国家試験に合格できず兵役があるため韓国に戻らなければなりませんでしたが、韓国からネット講座を受講して頑張り、無事合格しました。

 インバウンド消費が凄かった頃、中国籍の学生は苦労したものの合格しました。その後は中国語を話せる薬剤師ですから、様々な企業から引っ張りだこになりました。

 前回の107回国家試験ではルーマニア国籍の学生が合格しました。彼は薬学部を卒業して10年以上のブランクがあり、ゼロから始めるのと同様なので2年計画で取り組みました。

 1年目は「言葉の意味がよくわからない」「覚えられない」と苦戦。休み時間にはいつも顔をしかめて教室から出てきました。2年目になると「なんだかわかってきました」とにやにやしながら教室から出てくるようになりました。モチベーションも高まり勢いもついて、模擬試験の点数も上昇。無事合格を果たしました。「僕みたいなブランクもあり、言葉の壁もある外国人を合格させるなんてメディセレは凄い」とあいさつに来てくれて私たちも嬉しかったです。

 「僕はもうルーマニアには帰らず、日本で日本のために頑張ります!海外との交渉は任せてください」と言う稀有な存在の彼は、企業からひっぱりだこ。日本にとってありがたい存在として活躍してくれそうです。みなさんの身近にも世界を感じる機会があればいいですね。



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