【国試予備校の現場から】ウサギとカメの教訓は?

2023年1月15日 (日)

薬学生新聞

メディセレスクール社長
児島 惠美子

児島惠美子氏

 こんにちは。メディセレのしゃっちょう、児島惠美子です。2023年はウサギ年。ウサギというと何が思い浮かびますか?私は三つ浮かびます。

 一つめは製剤学で薬剤師国家試験にも出てくる「発熱性物質試験法」です。体重1.5kgの健康な「ウサギ」に試験液を静脈注射し発熱性物質の有無を評価する試験法ですが、私は予備校講師になりたての頃の確認テストで、体重1.5kgの「ウナギ」を用いて試験する、と出題しました。ほとんどの学生が引っかかってみんなで爆笑し、学生たちと仲良くなりました。たった1本の線がなくなるだけで、心の防御線が取り除かれました。その後も講義でネタに使っていました。「1.5kgの鰻は食べたいわ~」と。

 二つめは「ウサギとカメ」のお話です。有名な童話ですが、皆さんはこのお話の教訓は何だと思いますか?「油断大敵」「過信するべからず」が一般的に言われていますが、私はこのお話の一番大切な教訓は「敵は己自身」だと思います。

 ウサギさんは対戦相手のカメさんだけを見ていた。これが敗因です。カメさんはゴールするという「自分の目標達成」に注目していたことが勝因です。もしもウサギさんが2度目の勝負を挑み、次は昼寝することなく先にゴールしたとしても、カメさんはマイペースに進み続け、ゴール後喜ぶと思います。もしかすると「1分だけど前回よりタイムが早くなった!」と大喜びするかもしれません。人と比べてどうかよりも、自分の目標が達成できたのか、昨日の自分より成長できたのかを指標に物事を考えるのです。そうすれば急に人生が楽になります。勉強も何事もそうです。昨日より一つでも知識がついたのか?という指標があれば、成長し続けられ、メンタルも安定します。

 最後は「ウサギとお月様」です。辛くなると人は下を向きがちですので、ぜひ月を見るために顔をあげてください。そこにはウサギさんがいます。世の中はこんなに美しく、不思議なのです。そりゃあ、私たちに分からないことはたくさんあるよね、です。

 ということで、皆さんもウサギ年なだけにツキ(月)を招き、運を呼ぶ年になりますように。今年もよろしくお願いいたします。



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