合格をつかむ直前期の取り組み法
1)苦手領域・苦手項目をなくす
国家試験には足切りがあります。合格するには、総点だけでなく、各領域に設定されている足切りに注意しなければいけません。
全総点で合格ライン(65%)を満たしていても、「必須問題」の総点で合格ライン(70%)を満たしていても、領域ごとに合格ラインがあるため、苦手領域があると足切りにかかって不合格になることがあります。各領域からまんべんなく出題されているのです。
また、弊校の自己採点システムのデータでは第98回の薬剤師国家試験では、「物理・化学・生物」と「衛生」で足切りにあった学生が他の領域に比べて多かったです。上記領域が苦手な第99回の受験生の皆様にはご注意いただき、1月中での対策を心がけてください。
2)領域の壁を越えよう
効率良く多くの領域を一気に見直す方法があります。それは、『疾患別、臓器別に振り返ってみる』ことです。例えば、「肝硬変」という疾患に注目して振り返りをすれば、様々な領域の内容が関わってくることになりますので、領域の壁を越えて知識をつなげながら振り返りができます。ぜひやってみてください。
3)模擬試験を活用する
直前期の模擬試験を受けることで、合格に貴重な情報が得られます。
・2月の全国統一模擬試験は、全国の現役生のほぼ100%の方が受験します。自分が現在どのレベルにいて、合格に到達するにはどこをどのように勉強したらよいか対策が立てられます。自分の実力を知るチャンスですから、真剣に受験することをお勧めします。
最後の詰めとしては、全国の60%以上の受験者が解けて、自分が解けなかった問題があったらその項目を集中的に振り返りましょう。その項目を参考書や問題集に戻って勉強してください。解けなかった問題は、調べることでさらに理解度が高まります。
・既出問題以外の問題を解くことで、忘れていたことに気付くことができますし、予想外に覚えていなかった範囲の把握に使ってください。自分が『分かっていると思い込んでいる項目』に気付くことができますよ。
・「複合問題」は、問題のパターンに慣れることや科目の壁を越えた知識が関連づけられるチャンスです。また「新傾向の問題」に触れるチャンスでもあります。実践問題の新規問題に触れる機会はなかなかないと思いますので、問題を考えて解く良い機会になると思います。
最後に…
薬剤師国家試験は、「薬剤師になるべき知識、技能及び態度を習得し、医療人として求められる資質を見極める試験」ですから、決してやさしいものではありません。しっかりとした知識を身につける必要があります。
ただ、薬剤師国家試験は資格試験であり、誰かを蹴落としていく試験ではありません。肉体的に精神的に限界と思ってしまう時があるかもしれません。ただ、限界は自分で決められます。「まだ頑張れる」「あと○日の辛抱だ」など、自分に言い聞かせながら、また友人たちと励まし合いながら頑張ってほしいと思います。
最後に何を勉強してよいか分からないとなった場合は、学内や予備校などで実施されている直前講習会に参加してはいかがでしょうか。重要項目やヤマを教えてくれるはずです。
この記事を読んでくださっている薬学生の薬剤師国家試験合格と薬剤師としてのご活躍を願っております。
薬学ゼミナールお茶の水教室
小林 真