積水メディカルは、非臨床薬物動態試験受託の実績を強みに、放射性同位体のカーボン14(14C)標識化合物を用いた国内臨床薬物動態試験の本格的な受託に乗り出す。非臨床の安全性試験や動態試験から、国内臨床施設での第I相薬物動態試験、14C標識原薬製造や構造分析を含めた一括受託を目指し、製薬企業の医薬品開発ニーズにワンストップで対応する。薬物動態研究所試験研究部部長の稲葉厚弘氏が、都内で開催した同社薬物動態研究所の創立50周年記念講演会で明らかにした。
放射性同位体は、薬物動態・代謝試験で用いられ、候補化合物を標識することによって、代謝経路・代謝物の詳細を調べることができる。茨城県東海村に位置する積水メディカル薬物動態研究所は、非臨床薬物動態試験を中心に、50年にわたって事業を展開してきた。特に14Cを標識とした化合物の薬物動態試験では、ラットやマウスといった動物を用いて、核種の吸収、分布、代謝、排泄試験を実施している。