日本薬剤師会は、改訂作業を進めている「薬局薬剤師のための薬学生実務実習指導の手引き」に、実務実習における薬学生のパフォーマンスの質を段階的に評価するルーブリック評価の方法を盛り込む。医薬品の調製などいくつかのパフォーマンスを取り上げ、具体的な評価方法を例示する。各到達目標(SBO)をクリアしたかどうかを一つずつ確認するのではなく、知識・技能・態度を総合的に評価する方法の活用を提案する。病院薬剤師や薬系大学教員の意見も踏まえ、今年度中に手引きを策定する計画だ。
改訂された薬学教育モデル・コアカリキュラムに沿った新たな薬学実務実習が、2019年度から本格的に始まる。その体制整備に手引きを役立ててもらう考えだ。10月31日、11月1日に高知市で開かれた日本薬学会・日本薬剤師会・日本病院薬剤師会中国四国支部学術大会のシンポジウムで、日本薬剤師会薬学教育委員会の委員を務める鈴木匡氏(名古屋市立大学大学院薬学研究科臨床薬学教育研究センター教授)が、手引き改訂の状況を説明した。
ルーブリック評価は、薬学生の実習中のパフォーマンスの質を段階的に評価するもの。手引きでは具体的に、[1]医薬品の調製[2]医療安全(処方鑑査)[3]薬物治療に必要な情報の収集と提供[4]薬物治療の解析と提案[5]在宅医療[6]セルフメディケーションと地域支援活動――などを取り上げる。基本的な業務内容から高度な業務内容まで4段階のステップで、各パフォーマンスの質を評価する方法を提示する予定だ。