厚生労働省は2月28日、世界に先駆けて新しい医療機器、再生医療等製品の開発や実用化を進める「先駆け審査指定制度」の対象品目を発表した。東京大学発のベンチャー企業であるUT-Heartが富士フイルムと共同で開発した、コンピュータ上に患者の心臓を再現して治療の効果を予測できる心臓シミュレーションプログラムや、大日本住友製薬が京都大学iPS細胞研究所のシーズをもとに開発した神経難病のパーキンソン病を改善する非自己iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞など7品目を指定した。
先駆け制度での医療機器などの指定は2回目。昨年10~11月にかけて募集した。指定された品目については、優先的に治験相談などを行い、通常12カ月かかる新医療機器の審査期間を半分の6カ月に短縮する。指定されるためには、▽医療機器では新規原理、再生医療等製品では新規作用秩序を有する▽既存の治療法、診断法がない、または既存の治療法や診断法に比べて大幅な改善が見込まれる▽世界に先駆けて日本で申請される(同時申請も含む)予定――といった要件を満たす必要がある。