高齢化社会が顕著になり、介護を要する階層の増大に伴って、介護食品のニーズも一層の高まりが想定される。こうした中、日常の食事から介護食まで幅広く利用できる、食べやすさに配慮した食品「ユニバーサルデザインフード(UDF)」が着実に市場を拡大している。日本介護食品協議会(古舘正史会長、キューピー)によれば、UDFの生産量・生産金額共にここ数年、高い伸びが続いており、2012年の年間生産額は初めて100億円を突破したという。この増加の要因に挙げられるのが、スーパーやドラッグストアを中心とした小売側の販路が広がってきたことである。介護食品に関しては現在、ドラッグストア業界団体が新たなマーケット創造に向けての取り組みを進めていく考えで、今後は「介護食品カテゴリー」が一層注目を集めそうだ。
UDFはその種類も様々で、レトルト食品や冷凍食品などの調理加工食品をはじめ、飲み物や食事にとろみをつける「とろみ調整食品」などがある。消費者が選びやすいよう、どのメーカーの商品にも「かたさ」や「粘度」の規格により分類された四つの区分が表示されている。