キャリア・ポジション社長
西鶴 智香
今回は就職先の研究方法について。前回例に挙げたような「会社説明会で人事スタッフが自社を魅力的な社風と話したが、実際はそうではなかった」「業績が悪く、聞いた年収が予定通りもらえなかった」など、入社の決め手となった情報であるにもかかわらず実は大きく違っていたため、短期間で退職する先輩薬剤師は少なくありません。
短期間で退職すれば、転職面接ではどうしても「短期間で辞める決断をするような諦めの早い人」「会社研究が浅く、就職意識が低い人」というマイナス評価をされてしまいます。そうならないように、就活時に就職先をどのような点から調べればいいか、まずは基本的なことをお伝えします。
ドラッグストアや薬局だと、ここ5年くらいの売上額と利益額、薬剤師数の推移を確認。薬局数が増えている場合、どんなビジョンだから増やしているのか、逆に現状維持または減少している場合、その理由も聞いてみましょう。将来性や企業価値が見えてくると思います。
人事が担当する説明会だけで社風を判断してはいけません。実際の複数の店舗見学、病院見学をし、そこで働く薬剤師を見て、自分がそこで働くことを想像しましょう。実際の先輩薬剤師の人柄、勤勉さ、仕事への情熱などたくさん質問して理解を深め、説明会での印象と合わせて判断しましょう。
先輩方はそれぞれどのようなテーマを持って働き、スキルアップしようとしているのか。自分の目指すキャリアに対してアドバイスをもらったり、評価を伝えてくれたりする面談の有無も確認したい。客観的アドバイスは自分のキャリア開発にとても効果的だからです。
そしてもちろん、薬業界全体の流れや将来性について十分理解すること。この部分は社会人がたくさん情報を持っていますので、是非就職課で聞いてみましょう。このように多方面から研究していくと、自分は何に共感したか、どんなところで働きたいか、どんな風になりたいのかなど、自己理解が深まると思います。