【各業界の動向と展望をチェック!】成長持続、売上規模9兆円超に~ドラッグストア~

2024年11月15日 (金)

薬学生新聞

 日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)の2023年度実態調査によると、ドラッグストア業界の売上規模は9兆2022億円と推定されている。前年度比の伸び率は5.6%増で、カテゴリー別でも4.0~7.7%増の幅で全般的に増加しているなど、成長を続けている状況だ。

 同調査結果からドラッグストアの調剤額を見ると、23年度は1兆4025億円に到達した。これは、ドラッグストア売上高の15.2%、「ヘルスケア・調剤」売上高の45.7%に及んでいる。伸び率は9.5%と高く、前年度比1214億円の増加。15年度の調査開始以来、毎年度10%程度の伸び率となっており、15年度の調剤額7158億円と比較するとほぼ2倍に拡大した。

 確かな成長を続けているドラッグストア業界だが、その背景の一つには地域生活者等からの支持を獲得していることが挙げられる。平時はもとより、特に大規模災害時に高い評価を得ていると言えよう。

 元日に発生した能登半島地震において、JACDSは発生翌日より厚生労働省と連絡を取り合い、一般用医薬品(OTC)の供給、さらには資格者である薬剤師や医薬品登録販売者の派遣について厚労省と調整を進めて活動を展開。大規模災害に対し、ドラッグストアは社会インフラとしての機能を果たし、着実に信頼を積み上げている。

 ドラッグストア業界に身を置く主な資格者は、薬剤師が約2万7000人、医薬品登録販売者が約10万5100人、管理栄養士が約3400人などで、少なくとも13万人以上のスペシャリストを擁する業界となっている。規模の追求だけでなく、1店舗1店舗が地域で果たす役割を常に見つめ直し、生活者の支持を得ることでドラッグストアは成長している。

 JACDSは次代のドラッグストア業界を見据え、豊かな社会づくり、生活者の健康相談窓口としての機能を担うため、30年を目途としてドラッグストアの「健康生活拠点(健活ステーション)」化を推進している。

 健康生活拠点化推進計画の具体的なテーマとしては、[1]JACDS版受診勧奨ガイドラインに基づく対応スタッフ20万人の育成[2]食と健康アドバイザー10万人の育成[3]食と健康をテーマとする売場構築と1万8000店舗での展開[4]ヘルスチェックサービスのパッケージ構築と1万8000店舗への展開[5]プラ容器回収対応店舗数3万店舗の展開――を掲げている。

 これらの取り組みは、日本の医療制度を補完し、治療支援やセルフケア・セルフメディケーション促進、疾病予防とその支援といったドラッグストアが果たすべき基礎的な機能だとしており、地道に取り組み、地域生活者や関係各方面の信頼を積み重ねていくことが、今後のドラッグストアの成長を後押しすることになるとの考えだ。



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