MRからMSLへ新たな飛躍‐MSD 佐藤佳代さん

2014年1月1日 (水)

薬学生新聞


中立的立場でKOLに情報提供

佐藤佳代さん

 「KOL」(キー・オピニオン・リーダー)に中立的な立場で情報提供し、疾患で苦しむ患者に最適な治療法を届けるのが「メディカルサイエンスリエゾン」(MSL)の使命である。MSDのメディカルアフェアーズ メディカル・サイエンス・リエゾン ワクチン・婦人科・骨代謝領域フランチャイズに所属する佐藤佳代さんは、“信頼されるMSL”として、社内外のステークホルダーと情報交換を行う。「日本の医療をより良くしたい」という大きな志を胸に、今日も業務に取り組んでいる。

 東北大学薬学部で有機化学を専攻していた佐藤さんが就職先として選んだのが、製薬企業のMR職。周囲から「MRは大変そう」と心配されたが、持ち前の前向きな性格でチャレンジを決意した。活躍する女性MRが多いとの評判を聞き、旧万有製薬(現MSD)に入社。配属先となった金沢営業所(旧)では、主に高血圧症・脂質異常症治療薬など循環器領域の薬剤を取り扱い、大学・基幹・重点病院を約4年間担当した。

 MRとして活躍するためには、医師からの信頼を獲得する必要がある――。そう感じた佐藤さんは、「依頼された内容に対して、迅速に対応するように心がけた」と当時を振り返る。すぐに対応できないような案件についても、会社に戻り先輩MRに聞いてみたり、社内で保有するデータベースから調べて疑問点を解消し、できる限り早く正確に回答するようにした。こうして学んだ業務を基礎に、人と話すのが好きだという“コミュニケーション力”と、コツコツ地道に頑張る“継続力”を融合させ、次第に医師からの信頼を勝ち得ていった。

 そしてめぐり会ったのがMSL職。もともと「新しいことにチャレンジしたい」という思いを持っていたが、学術情報支援室(現メディカルアフェアーズ)のHSA(現MSL)として骨代謝領域や循環器領域などでの業務を担当することになった。

 MSLは、担当領域のKOLとの情報交換を通じて、最適な治療を普及させる役割を担う。具体的には、▽疾患領域の最新情報の提供▽学会でのイベント、講演会の企画・実施▽メディカル戦略の策定▽最新医学情報の収集と社内関連部署への提供▽学会聴講報告会、社外講師勉強会の実施▽グローバル関連部署との折衝やコミュニケーション――など多岐にわたる。

 各疾患領域で影響力の強い医師を相手にするため、「1回1回の面会が、緊張の連続です」という。MSDでは、営業・マーケティング部門からも独立した部門、メディカルアフェアーズに所属している。「自社製品に偏らずに、最適な治療法を普及させる中立公正な情報提供が求められます」と責任の重さを語る。

 MRとは異なる新たな業務スキルが求められる。英語の論文に毎日触れるようになったことで、以前に比べて英語が上達。課題だったITスキルにも磨きがかかり、「成長速度が上がった」と胸を張る。現在では、日常業務で国外ともやりとりをしている。

 社外だけでなく社内の各部門との折衝も発生する。営業・マーケティング・開発・研修部などにも最新情報をフィードバックする。佐藤さんは、「毎日が刺激」と話すように、社内外の多くの人たちと関わることで計り知れない財産を得た。

 いま、MSLとして、患者数が増加している高齢疾患の骨粗鬆症と向き合う。骨粗鬆症治療薬に求められるのは、痛みや症状を改善するタイプの薬剤ではなく、骨折の予防効果。近年、国内では骨粗鬆症を適応症とした新薬が相次いで販売されているが、患者の治療率はわずか約2割にとどまるなど課題を抱えているという。

 高齢化社会を迎え、健康寿命と平均寿命の乖離が問題視される中で、「寝たきりになってしまう患者さんを少なくし、健康寿命をもっと延ばしたい」と佐藤さん。「私の母にも『検査に行ってね』と声をかけています。疾患啓発から予防医療につなげ、日本の医療をより良いものにしていきたい」と、疾患啓発と予防医療の重要性を訴える。広い視野に立ち、患者に対して最適な医療を届けるMSLの業務に大きなやりがいを感じながら、「多くの人たちからの“信頼”を励みに、チャレンジを続けていきたい」とさらなる成長を誓う。

 MSLの果たすべき役割について、「まずは会社一丸となって、認知度を高めていきたい」と前向きな姿勢を示す。さらに、営業・開発・研究などを専門分野とする多様な人材がMSLに集まっている自社事例を挙げ、「将来のキャリアパスとして魅力的だと思います。学生の皆さんに興味を持っていただけるとうれしいです」と一緒に働く仲間を心待ちにしている。



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