医療の輪に入れる魅力‐国立成育医療研究センター薬剤部 高山寿里さん

2014年1月1日 (水)

薬学生新聞


「子どもたちを救いたい」

高山寿里さん

 国立成育医療研究センター薬剤部の高山寿里さんは、2007年に明治薬科大学を卒業後、病院薬剤師の世界に飛び込んだ。医師、看護師、患者と病棟で会話でき、医療の輪の中に入っていける魅力を感じて、この仕事を選んだ高山さん。「子どもと親御さんを救いたい」と3年前に成育医療研究センターに転職してきた。病院薬剤師として7年目を迎えたいまは、多くの子どもたちと向き合う充実した日々を過ごしている。

 高山さんが大学卒業後、最初に勤務したのは、茨城県の筑波メディカルセンター病院。中規模の総合病院だったため、患者は大人から子どもまで、薬剤部の業務も幅広かった。調剤や抗癌剤の混注、病棟専任と様々な業務を一通り経験する中、当直時に夜間の救急外来窓口で、子どもや妊婦の薬への対応を数多く経験した。

 「この分野に薬剤師が必要」と実感した高山さんは、病院薬剤師として働き始めて3年半が経過した時、転職を決断。小児専門病院である成育医療研究センターにやってきた。

 現在は、午前中に調剤室、午後は病棟で服薬指導等を行う忙しい毎日だが、薬剤師として患者の子どもたちや親と近い部分で仕事ができることに大きなやりがいを感じている。

 ただ、子どもに薬の説明をするのは想像以上に大変なこと。「なかなか吸入指導に行っても、泣いて嫌がってマスクさえ付けてくれず、どうしてもうまくできない子どもがいて、家で寝ている間にお母さんに吸入してもらったことがあった」と苦労したエピソードを語る。

 「でも、病棟に行っていると変化があり、薬を嫌がってた子が飲めたと言ってくれたり、折り紙やシールなどプレゼントをくれたりするのはうれしい」

 子どもと妊婦に興味を持ち、成育医療研究センターの門を叩いて3年半。いまは病院薬剤師として、自分の武器を見つけたと感じている。「やっぱり仕事は楽しい」と高山さん。

 筑波メディカルセンター病院で子どもや妊婦の対応をしていた当時、自分も不安だったことを思い出す。「もっと子どものことについて、他の病院や薬局の薬剤師が不安に思っていることを情報発信していかなければならない」と前を向く姿は、プロの顔だ。

 病院薬剤師の業務については、「どんどん病棟に出て行くことはもちろんだが、医師や看護師と同じことをやっていても意味がない。処方設計やバイタルサインを見るという新しい流れもあるが、配合変化など得意な部分を生かして、本来の薬剤師の仕事を忘れてはいけないと感じる」と課題も見つけている。

 そんな高山さんは、既に後輩たちの指導的な立場にある。「これから小児薬物療法認定薬剤師の認定を取って、後輩たちに目標としてもらえる薬剤師になりたい」と力強く抱負を語った。

 就職を目指す薬学生に対しては、「いろいろ迷っているかもしれないが、どんな進路を選択するにしても、今やっている活動や悩むことは無駄ではないと思います」とアドバイスする。



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