第100回薬剤師国試に向けた学習ポイントと勉強法 その2

2014年9月1日 (月)

薬学生新聞

薬学ゼミナール
神戸教室
米永 友樹

米永友樹氏

 第100回薬剤師国家試験(以下、国試)まで残り約半年となりました。今回は、国試半年前のこの時期から意識していただきたいこと、実践していただきたいことについてお伝えさせていただきます。実践するかしないかで、数カ月後、国試直前の皆さんの状態は大きく変わってきます。ぜひ参考にしていただき、取り入れていただければ幸いです。

 今回は、3点についてお話しさせていただきます。

 [1]模擬試験の活用[2]各種講義の活用[3]考える力を養う既出問題演習方法

模擬試験の活用

 国家試験が近づくにつれ、模擬試験を受験する機会も増えてきます。模擬試験は実際の国試と同様の問題数、時間配分、難易度であるため、国試の予行演習としては最適な機会です。上手に活用していきましょう。

 意識面として皆さんにお勧めしたいことは、「実際の国家試験だと思って準備、受験する」ことです。国家試験と同様で受験できる機会は非常に少なく、模擬試験で得られることは高い意識を持って臨むほど多くなります。本番同様の緊張感を持って臨みましょう。

~模擬試験に向けて~

<事前準備>

 事前準備としては、[1]当日までにやりたいことを設定する(目標を立てる)[2]残り時間を逆算し、目標達成に向けた計画を立てる[3]適宜計画を評価、必要に応じて変更する――ことを意識しましょう。模擬試験までの残り日数の中で、必ず取り組みたいこと(苦手科目などの科目面、既出問題5年分などの既出問題の年数など)を定めます。目標を定めたら、それを1週間、日々の中の勉強ノルマとして落とし込んでいきましょう。

 計画を立てたらあとは実行あるのみです。進捗度合いを適宜確認しながら、必要に応じて計画の変更や優先順位づけを行っていきます。計画に迷った場合には、「範囲を絞りすぎず、幅広く」「苦手科目から」を意識することをお勧めします。

 計画を立てるのが苦手な方もいらっしゃると思いますが、計画を立てるメリットは非常に大きいです。計画を立てることで目標達成のための道のりが「可視化」されます。その結果、自分の置かれている状況や今やるべきことが明確になり、集中力の増加、やる気の向上が期待できます。もちろん、直前になって焦ることもなくなります。

<受験当日>

 時間配分を意識しましょう。必須問題は1問当たり1分。理論、複合問題は1問当たり2分30秒が標準となります。実際に解いてみた感触は今後の対策につながりますし、国試本番の時間配分にも役立ちます。

<受験後>

 模擬試験は受験後も非常に重要です。全力で取り組んだ試験です。受けっぱなしにすると非常にもったいないので、「見直し」を行っていきましょう。

 特に、総合正答率が高いにもかかわらず間違ってしまった問題は要注意です。見方を変えると、得点アップが見込める「おいしい範囲」とも言えますので優先的に見直しましょう。

 グラフにもあるように、第99回国試において正答率60%以上の問題は235問ありましたので(薬ゼミ自己採点システム結果より)、まずは正答率60%以上の問題から見直すことがお勧めです。

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 また、これから勉強を進めていく中で、完了した範囲から適宜模試問題を見直すのも効率的です。

各種講義の活用

 大学により程度が違いますが、この時期から国試に向けての対策講義が増えてきます。その際に意識していただきたいことは、[1]その日講義でやった内容は、その日に完遂させる[2]講義に全力で集中する――ことです。

 その理由は、講義を受けた直後が一番記憶に残っていますので、問題演習や暗記も短い時間で効率的に行えます。また、その日に完遂することで、休日などにその講義の復習に追われることなく、苦手科目の勉強など自分がやりたい勉強をすることができます。

 せっかく時間を割いて講義を受けるのですから、「その範囲が理解できた」「その範囲の既出問題が解けるようになった」という状態まで到達していただきたい。

 講義で集中するためのコツは、「あとでやればいいや」と考えず、「講義中に覚えよう」「講義中に終わらせてしまおう」と意識すること。この意識だけで、講義の聴き方、講義のすきま時間の過ごし方は大きく変わってきます。

 上記2点をこれから意識するか否かで、今後の成績の伸び具合、国試直前の状態は大きく変わります。ぜひ、騙されたと思って実践してみてください。

考える力を養う既出問題演習方法

 これからの時期は卒業試験なども重なり、「とりあえず既出問題をたくさん解く」という方も増えてくる時期です。既出問題演習は国試合格に向けて必須ですが、今の国試にそれだけでは不十分です。「国試合格のレベルに到達する」ための、既出問題の活用方法は、「問題数」ではなく、「どれだけ解けるようになったか」という意識です。表現を変えると「ここは理解できている」「ここは改変問題が出ても大丈夫」という範囲をいかに増やしていけるかが重要となります。

 改変問題が解けるレベルまで到達する問題の解き方とは、[1]正解した選択肢もきちんと理解できているのか、説明できるのか確認する[2]全選択肢を勉強する[3]選択肢に出てきた分からない単語(言葉)は徹底的に調べる[4]単語の周辺知識を解答解説、もしくは参考書に戻って確認する――などが挙げられます。

 上記の作業ははじめ非常に時間がかかります。しかし、繰り返していくことで、これからの成績が途中で頭打ちせず、着実に伸びていきます。

 国試まで残り半年となりました。半年後に笑顔でいるために、今日からできることを一歩ずつ積み重ねていきましょう。その際に今回の内容が少しでもお役に立てれば幸いです。

 国家試験合格までの道のり、ぜひ「楽しみながら」乗り越えていってください!応援してます!



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