【医学アカデミー薬学ゼミナール】臨床につなげる基礎!~薬剤師国家試験へ向けた対策~

2020年9月1日 (火)

薬学生新聞

物理科目責任者 茂木 雄輔、化学科目責任者 林 美樹子、生物科目責任者 小林 あつみ、衛生科目責任者 大内 邦弘

 近年の薬剤師国家試験(以下、国試)では、基礎科目(物理、化学、生物)や衛生についても、臨床現場を意識した問題が多く出題されています。基礎的な知識を習得するだけでなく、”臨床現場でどのように応用されているか”ということも意識して学修を進めましょう。本記事が、薬学生の学修の一助になれば幸いです。

物理

■領域における特徴・出題傾向

 臨床現場で実際に使用している臨床機器の原理に関する出題や医薬品の物性に関する出題など、臨床を意識した出題が多いです。臨床で実際に使用する臨床検査機器の原理など、興味を持って学修していきましょう。

■第105回薬剤師国家試験出題例
■出題例のPOINT

 一つの医薬品に対して、様々な分析の原理や装置が出題されています。知識に加え、問題に記載されている状況を読み解き、持っている知識を活用することが大切です。

■領域における学修方法のアドバイス

 実践問題では、特に分析化学の出題頻度が高く、その中でも化学平衡、画像診断、クロマトグラフィー、センサー・ドライケミストリーの出題が多いです。分析装置の測定原理や装置について、単なる暗記だけではなく、内容を理解しながら学修を進めていきましょう。

化学

■領域における特徴・出題傾向

 必須~実践問題を通し、「構造をみて判断する問題」が多く見られます。官能基の性質や基本的な知識の習得とともに、「知識を構造に結びつける力」を養いましょう。既出問題を解く際に、「どの知識が必要か」「何が分かれば解けるのか」を意識してください。

■第105回薬剤師国家試験出題例
■出題例のPOINT

 一酸化窒素合成酵素(NOS)により生成する化合物の構造から、基質となるアミノ酸を推測する問題です。知識に加え、与えられた部分構造をもとに考えていく思考力も必要とされます。

■領域における学修方法のアドバイス

 まずは基本事項をしっかり理解しましょう。官能基の性質を踏まえ、生体でどのような挙動をするかなど、生体への応用が多く出題されます。代表的な化学反応はもちろんのこと、医薬品化学についても与えられた構造から判断できるようにしましょう。また、生薬は代表的な生薬について暗記しましょう。

生物

■領域における特徴・出題傾向

 図表や実験操作などから情報を読み取り、判断することで答えを導き出す、いわゆる「考える問題」「応用力を必要とする問題」の出題が多く見られます。

■第105回薬剤師国家試験出題例
■出題例のPOINT

 本問題は、前問※の解答である薬剤A投与により起こる心電図変化を読み取り、薬剤Aの作用機序を判断する問題です。心電図の各波形の特徴も確認しましょう。

 ※前問:薬剤Aとして、アミオダロン塩酸塩錠を選択させる問題

■領域における学修方法のアドバイス

 身体の各器官や組織の構造や機能、生体成分(脂質、糖質など)の構造や代謝など、他科目に関連する知識を早期に修得することが大切です。知識の土台を固め、健常時の身体だけではなく、加齢や疾患、薬剤などが身体に与える影響もイメージできるようにしましょう。

衛生

■領域における特徴・出題傾向

 衛生は、法律の改正点や公衆衛生のトピックスが出題されることが多いです。現在の日本では、有名芸能人の薬物乱用に関する報道が後を絶たず、覚せい剤、大麻、コカイン、MDMAなどによる検挙が目立ちます。これを踏まえて105回国試ではコカインの実践問題が出題されたと考えられます。

■第105回薬剤師国家試験出題例
■出題例のPOINT

 本設問は、乱用薬物の分野であり、主要な薬物の代謝および作用機序を確認することが重要です。エステルなど構造式の特徴から主な代謝経路を理解できるようになることも重要です。

■領域における学修方法のアドバイス

 乱用薬物の学修では、中枢への作用(興奮、抑制、幻覚)、主な代謝・検出対象、摂取方法(静脈内注射、吸入、経鼻、経口)、構造式(骨格、水酸基、エステルの有無など)などを理解した上で覚えましょう。特に代謝に関しては、第1相反応ではシトクロムP450による酸化、エステラーゼによる加水分解、第2相反応ではUGTによるグルクロン酸抱合と構造式をつなげ、理解を深めましょう。



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