キャリア・ポジション代表取締役
西鶴 智香
Q
4月から薬学部4年生になりました。学生生活も後半が始まります。私はまだ就職のことはぼんやりしか描けていませんが、友人たちは既に夏のインターンシップへの参加の計画を立てています。就活は5年の後半からでいいかと考えていた私は何となく焦ってしまうのですが、やはり参加しておいた方がいいのでしょうか?
A
インターンシップに参加される薬学生は年々増えていると聞いています。製薬企業、食品企業、薬局、ドラッグストア、病院などに参加されているようですね。薬局や病院へは5年次の実習期間がありますので、実務的なものを経験する目的では不必要と思いますが、実は企業側は、インターンシップは採用活動と直結させているので、学生側も早くから志望企業に参加する学生が多いようです。実際、大手企業では大学1年生のインターンシップ参加を受け入れているところもあり、その働きぶりを見て早くに内定を出す企業もあります。もし、就職先の業界すら絞り込めていないようでしたら、やみくもにインターンシップに参加するよりも、業界研究や自己分析から始めましょう。
そもそもインターンシップとは「卒業までに、実業界で働く様々な能力を身に付けさせる」ことが目的で、諸外国では企業の採用活動に直接結びついています。日本では、「あくまでも学生の職業体験期間」としていますが、実際には、採用内定につながっている場合が多くあるのです。そういった意味では、「みんなが行くから安易に」「どこでもいい」という参加ではなく、自分が興味のある仕事や企業に絞った方がより意義あるものになります。
インターンシップでは、「1日職業体験」など短期のインターンシップも多く見受けられますが、企業側は、実務能力を身に付けさせるという本来の目的のために、3カ月、半年などの期間で実施したいと考えています。実は文部科学省も、「中長期インターンシップ」を推進しようとしています。そのためには企業側に任せるのではなく、大学主導での取り組みが必要で、「有給インターンシップ(コーオプ教育といいます)」が始まっています。大学が組んだインターンシッププログラムを終了すると単位がもらえ、給料ももらえます。
インターンシップは、企業主導、大学主導、短期、中長期など千差万別で、その目的も、様々なものがあります。日本の大学では10年ほど前から取り組む大学が増えていて、皆さんの大学がこのような取り組みをしている大学かどうか、確認してみましょう。インターンシップに参加すると、他大学の学生から刺激をもらえる機会にもなりますが、参加していないからといって、就職できないわけではありませんので、何ら焦る必要はありませんよ!