厚生労働省の検討会は15日、医療機関のレセプトや電子カルテなどの病院情報システムからデータを集積する医療情報データベース(MID-NET)の運営に関する中間報告書をまとめた。利活用については製薬企業も可能としつつ、今後、詳細な利活用のルールを定めたガイドラインや利用料など運営経費と費用負担の検討を行うため、二つのワーキンググループを設置し、最終報告に向けた検討をさらに進める。厚労省は、ワーキンググループで今年8月から1年間かけて議論し、その結果を踏まえ、2017年11月に検討会で最終報告書を取りまとめ、18年度からMID-NETの本格運用をスタートさせたい考えである。
中間報告では、MID-NETの利活用について、協力医療機関、行政、製薬企業、アカデミアなどが可能と範囲を定め、市販後の安全監視やリスクベネフィット評価を含めた安全対策などに対して用いられることを想定。利活用に当たっては、有識者会議での事前審査を行うこと、製薬企業などが自ら解析を実施し、結果は公益性の観点から公表することなどのルールをまとめた。費用負担については、原則として製薬企業などの利活用者が利用料を負担することを基本とし、国費や安全対策拠出金の負担は必要最小限とすべきとした。