【考えよう!キャリアデザイン】薬剤師には何ができる? [2]

2019年9月1日 (日)

薬学生新聞

キャリア・ポジション社長
西鶴 智香

西鶴智香氏

 薬剤師が国民医療費抑制に何ができるかについて、前号で看護学生が「国民はまず病院に行く前に薬局薬剤師に相談したらいい。軽症ならば市販薬を選べばいいし、症状の程度により病院に行くという選択をすればいい」という提案をしてくれたと紹介しました。こうなると必要以上に保険を使わなくてもいいですし、薬局薬剤師が今以上に仕事にやりがいを感じられるようにもなりますし、ぜひとも実現してほしいと思っています。

 しかし実際には多くの国民は、自分の体調に違和感を覚えた時にはまず医師のもとを訪ねます。どうしたら、医師より薬局薬剤師のもとへ相談に来てくれるようになるのでしょうか?

 一つは、薬代の保険適応を変える方法があります。市販薬として既に販売されている抗アレルギー薬や抗炎症湿布剤、漢方薬などを保険適応から外し、医師の診察料と薬代の自己負担額が市販薬の購入費より格段に高くなれば、国民の行動は変化するでしょう。

 ほかには「リフィル処方箋」を導入する方法があります。生活習慣病など比較的症状が安定している長期服薬患者には、医師ではなく薬剤師が指導するようになれば、薬の専門家としての薬剤師の存在はもっと意識されるようになります。

 ところで国民は「かかりつけで頼れる、相談したい薬剤師」をどうやって探せばいいのでしょうか。時々、処方箋を持ち込んだ「薬局」で?もしくは化粧品を買いに行くドラッグストアで?そもそも国民は、服薬法を伝えてくれる以外に薬剤師がどんなふうに自分の役に立つのかよく知らないから、「かかりつけ薬剤師」を見つけようとしていないのではないでしょうか。

 薬局薬剤師はもっと国民に対し「体調が気になれば、いつでも相談に乗りますよ」「いつでも来て下さいね」と常に声をかけ、「健康の相談員」として認知してもらうことが、最優先でやるべきことです。自分が薬剤師になったら「職業・薬剤師」のどこをどう変えたいか。学生の今から考えることが、自身のキャリアデザインにつながるはずです。



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