わたしの「1日」~業界の先輩に聞く~ かもめ薬局横浜調剤センター 佐野妃咲さん

2017年1月1日 (日)

薬学生新聞


在宅専門薬剤師として成長を実感

佐野妃咲さん

 神奈川県を中心に展開する薬局チェーン「トライアドジャパン」の地域連携支援課に所属し、かもめ薬局横浜調剤センターで訪問薬剤師として活躍する佐野妃咲さんは、入社2年目。現在は在宅医療を担当し、忙しいながらも充実した日々を過ごしている。

 佐野さんの1日は、午前10時に在宅患者への“医薬品供給基地”ともいえる同社横浜調剤センター(横浜市保土ヶ谷区)からスタートする。佐野さんは、在宅訪問に向け30分から1時間をかけて準備をする。担当する患者は自宅で療養する約50人、1日の訪問件数は5人程度だ。訪問スケジュールを確認し、訪問予定患者の薬の最終チェックを行い、薬歴や訪問薬剤指導管理計画などに目を通し、準備に抜かりがないか確認する。そして、車に荷物を積み込み、出発する。

佐野さんの1日

 在宅の現場で薬剤師がやるべきことは多い。患者宅に着くと、佐野さんはまず服薬カレンダーに薬をセットし、残薬のチェック、服薬アドヒアランスの確認を行う。さらに、患者と話をする中から、薬が効果を発揮しているか、副作用の発現はないかなどを注意深く観察。抗凝固薬などが処方されているケースでは、手足に内出血がないかを確認する。その間に、佐野さんは患者やその家族とのコミュニケーションも大切にする。独居で寂しい思いをする患者の話し相手になることもある。話を聞くうちに1時間程度、滞在していることも少なくないという。

荷物を積み込み出発

荷物を積み込み出発

 途中、休憩を挟んで患者宅を訪問。訪問看護師やケアマネジャーなどが集まって開かれるサービス担当者会議に参加することもある。夕方、その日予定した訪問を終えると薬局に戻り、医師やケアマネジャーに提出する報告書を作成し、19時には仕事を終える。調剤業務は、調剤センターの薬剤師が担当してくれるため、在宅業務に専念できる環境が整っており、残業はほとんどないという。

 佐野さんは、九州保健福祉大学薬学部を卒業し、昨年4月に同社に入社。研修では、地域密着型や大学病院近隣などタイプの異なる薬局や在宅医療専門薬局で2~3年目の先輩の指導のもと、臨床の基礎を叩き込まれた。最初の配属先は、川崎市にある「かもめ薬局柿生店」。皮膚科、内科、精神科、小児科と幅広い処方箋を応需する中で外来調剤を学びながら在宅医療が経験できる環境で働いた後、今年7月からは横浜調剤センターに配属。希望していた在宅業務専任薬剤師として仕事に励んでいる。

 佐野さんが同社に就職を決めたのは「1年目から在宅業務を経験させてくれる会社に入りたかった」から。病院薬剤師の道も考えたが、「地域で活躍できる薬剤師になりたくて『在宅』に強い薬局で働きたいと考えた」という。

 実際に在宅の現場で働いてみて、患者やその家族と信頼関係を築けることにやりがいを感じている。「患者さんや家族の方から信頼されていると感じられたときには、在宅をやってよかったと思う」と手応えを語る佐野さん。在宅では、1人で患者や家族と向き合う必要があり、責任の重さを感じることもある。

 そんな佐野さんは、「在宅医療には薬剤師の介入が絶対に必要」と自信を深める。初めて患者宅を訪問した日に期限切れの薬がごっそりと出てくることも少なくない。認知症で服薬管理がうまくできなかったり、薬に関する不安を抱えている患者や家族もいる。「だからこそ、薬の専門家として医師と話ができる薬剤師の存在が重要。患者さんのお宅で、薬剤師ができる仕事はたくさんある」と語る顔は、すっかりプロの訪問薬剤師だ。

 「今後は高齢者施設の在宅に取り組んだり、訪問看護師やケアマネジャーなど多職種と連携し、仕事の幅を広げていきたい」と語る佐野さん。薬学生には、「職場でやりたいこと、身に付けたい技術を明確にしておくことが自分に合った薬局を選ぶコツ。休日や給料、転勤の有無などの条件面ももちろん大切ですが、自分が社会人として、薬剤師として成長できる職場を選んでほしい。実際に薬局を見せてもらって雰囲気を感じることが大切」とアドバイスする。



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