【医学アカデミー薬学ゼミナール】国試直前、最終チェックポイント!

2022年1月1日 (土)

薬学生新聞


物理科目責任者 茂木 雄輔、化学科目責任者 上田 敬太郎、生物科目責任者 石塚 博康、衛生科目責任者 大内 邦弘、薬理科目責任者 猪又 雄太、薬剤科目責任者 横井 宏哉、病態・薬物治療科目責任者 後藤 健太、法規・制度・倫理科目責任者 尾島 良太、実務科目責任者 坂口 努

 第107回薬剤師国家試験(以下、国試)は2月19、20日に実施されます。前回の国試(106回)から「新出題基準」に対応し、合格基準に「相対基準」が適応された試験となっています。まずは、106回国試で新傾向の問題をしっかり確認することから、国試の勉強を始めましょう。コロナ禍で日本の医療提供の手法も大きく変化しています。国試には皆さんが実務実習中に体験した医療現場のトレンドや時事ネタも沢山出題されます。求められる薬剤師像に沿って変化している国試に合格するため、107回国試に向けた「最終チェックポイント」として、薬学ゼミナールの全9領域の科目責任者が「科目ごとの国試対策」を紹介します。

 まず始めに、薬剤師国家試験の合格基準をおさらいしておきましょう。厚生労働省の通知により「以下のすべてを満たすことを合格基準とする。なお、禁忌肢の選択状況を加味する」となっています。具体的な要件として[1]問題の難易を補正して得た総得点について、平均点と標準偏差を用いた相対基準により設定した得点以上であること[2]必須問題について、全問題への配点の70%以上で、かつ、構成する各科目の得点がそれぞれの配点の30%以上であること――が定められています。

表

 禁忌肢については「薬剤師には、医療人としての高い倫理観と使命感が求められることにかんがみ、薬剤師として選択すべきでない選択肢(いわゆる『禁忌肢』)を含む問題について、導入することとする。禁忌肢の導入にあたっては、公衆衛生に甚大な被害を及ぼすような内容、倫理的に誤った内容、患者に対して重大な障害を与える危険性のある内容、法律に抵触する内容等、誤った知識を持った受験者を識別するという観点から作問することとする。ただし、偶発的な要素で不合格とならないよう出題数や問題の質に配慮する必要がある」とされています。

 薬ゼミの全国統一模擬試験を使用した分析結果によると「禁忌肢を選択しないため」には、[1]時間配分をしっかり行って、余裕を持って問題を読むこと[2]「1つ選べ」が続いた後の「2つ選べ」などでマークミスをしないこと[3]「適切でないのはどれか」などの否定形のリード文で選択ミスをしないこと――等が重要です。

物理

 本領域は、大きく「物理化学」と「分析化学」に分類されます。物理化学では基本的な内容の問題、グラフ・図・表などを用いてその場で考える問題、計算問題などが幅広く出題されています。分析化学では、医療現場に応用されている分析化学の問題が多く出題されています。

 本領域で得点するために、[1]既出問題を解く際に登場する専門用語の意味を調べて理解する[2]「グラフ・図・表」に関して、どんな現象を表しているのかを考える[3]計算問題について「公式」がどんな時に使えるのか確認しておくこと――をお勧めします。出題頻度の高い範囲は、物理化学では熱力学、反応速度論、分子間相互作用、酸・塩基、分析化学ではクロマトグラフィー、分光分析、画像診断です。

化学

 化学では基礎的な内容に加え、考える力を必要とする問題の出題が予想されます。いずれも構造式から判断する必要があるため、定義や用語の理解に加え、それを構造式に適用する力が求められます。

 まずは基礎事項、立体化学、酸塩基の理解、次いで、化学反応においては、各主生成物を与える経緯なども把握できるようにしましょう。また、近年増加傾向の糖やアミノ酸などの「生体成分の構造と性質、関連する生体反応」「医薬品の化学」も、構造を見て判断できるよう既出問題を中心に復習しましょう。最後に、「局方生薬」「生合成経路」も忘れずに!「代表的な漢方処方」も確認しましょう。

生物

 生物は、既出問題レベルの基本的内容から、構造や図などの応用力を必要とする問題まで幅広く出題されています。また、頻出範囲から満遍なく出題される傾向にあるため、広範囲をバランス良く学修する必要があります。そのため、既出問題の正誤を答えられるだけでなく、その問題に対する周辺知識なども把握するように意識しましょう。

 各範囲としては、機能形態学は「他科目につながる臓器や組織の機能」、生化学・分子生物学は「各栄養素や核酸の構造と代謝」、免疫学は「各免疫担当細胞の機能」、微生物学は「細菌・ウイルスの特徴」が特に重要ですので、全体像を意識しながら学修を進めていきましょう。

衛生

 衛生では出題頻度が高い次の範囲は必ず見直してください。「人口統計」の死亡原因はグラフ・表での出題が多いため、年次推移の理由を理解しましょう。「予防接種」はワクチンの分類(弱毒生、不活化、トキソイド)と接種方法(皮下、筋肉内、経皮)を確認してください。「感染症」は母子感染、性感染症を確認しましょう。

 「ビタミン」「食品添加物」は構造式での出題が多いため、構造式を見て物質名、機能(用途)が分かるように、「発がん物質の代謝的活性化」は特に既出問題の類似が多いため、既出問題を説明できるように学修しましょう。「水環境」では水道水質試験法の原理、活性汚泥を用いた下水処理の原理を簡潔に説明できるようにしておきましょう。

薬理

 薬理では、例年出題基準から満遍なく出題されています。また、理論では病態・薬物治療との連問も出題されており、薬理と病態・薬物治療を合わせて考える力が求められています。これらに対応するには、まず、薬理の基本事項である薬物名、作用機序、薬理作用を繋げて暗記・理解していきましょう。特に既出問題に出題されている薬物は、繰り返し出題される可能性が高い重要な薬物であるため、既出問題に基づいた学修が必要です。

 近年の国試では、特に実践問題において検査値や症状から患者の状態を考察し、患者に合わせた薬物治療を提案する力が求められます。これらは、薬理と病態を広く学修することで正答を導けるようになるため、偏りがない学修計画をしっかりと立てていきましょう。

薬剤

 薬剤は、既出問題の知識を中心とした出題ですが、グラフや図の読解が必要となる内容が多数出題される可能性が高いです。また、必須・理論を中心に計算問題が5~7題ほど出題されるとともに、実践では添付文書の情報から考察する出題や、具体的な製剤の特徴を問う内容が出題されます。

 薬物動態学は吸収・分布・代謝・排泄(ADME)、薬物速度論について偏りなく出題されます。特にトランスポーターや遺伝的多型、投与計画を含めたTDMが頻出です。物理薬剤学は物質の溶解や分散系など図や表を読み取る内容が頻出です。製剤学は剤形や容器の規定に関する局方の内容に加え、DDS(放出制御、ターゲティング)が頻出です。

病態・薬物治療

 本領域は、「病態・薬物治療」と「情報・検定」の二つの範囲から出題されます。病態・薬物治療は、現場で対応する一般的な疾患からの出題が多く、既出問題の実施によりある程度の知識を習得することが可能です。また、昨年度より、遺伝子治療・検査、漢方に関する出題基準が追加されました。これらの新規範囲に関しては、基礎薬学で学修する生物や生薬の内容を軸に医療と関係する部分を再確認することが重要です。

 情報・検定は、やや難易度は高いですが、内容としては一般的な医薬品情報源や検定手法に関して問う問題が多く、よく出題される範囲を中心に、既出問題を理解しながら学修を進めましょう。

法規・制度・倫理

 従来の倫理・コミュニケーションの範囲がプロフェッショナリズムとして拡大されたのは前回(106回)からですが、受験者間で差が生じやすい問題は法規・制度の範囲に目立ちます。法規・制度については、既出問題の内容を理解していることで得点できる設問が多いので、特に次の範囲の既出問題を中心に確認しておきましょう。具体的には、[1]薬剤師法[2]医療法[3]医薬品医療機器等法[4]麻薬及び向精神薬取締法[5]毒物及び劇物取締法[6]薬害と健康被害救済制度[7]医療保険制度[8]介護保険制度[9]治験[10]承認後の制度(再審査・再評価、副作用等報告)[11]薬剤経済(国民医療費)――の領域です。

 なお、[3]については2021年度から施行された改正内容も多くありますが、基本的には施行から1年以内は出題がないため、改正内容よりも基本的な内容を重視しましょう。

実務

 実務は、出題数が95問と多い領域です。出題が見込まれる次の範囲を目安に再確認し、実務で得点を伸ばしましょう。「計算(散剤、消毒薬、mEq等)」では、実務の計算は平均4~5問出題されます。既出問題を反復練習しましょう。

 「チーム医療」では、緩和ケアチーム(PCT)は必須から実践まで幅広く出題されています。褥瘡対策チーム(PUT)は実務、治療の2科目で出題の可能性があり、難易度の高くない問題が多いため、最終確認を怠らないようにしましょう。「医薬品関連(副作用、相互作用等)」では、副作用の初期症状や抗悪性腫瘍薬の副作用の処置などを確認しましょう。相互作用は実務や薬剤で必須から実践まで幅広く出題される重要範囲です。「管理(麻薬の廃棄、血液製剤の管理等)」は実務、法規の2科目に関係します。両科目のポイントをおさえましょう。



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