抗不安薬と睡眠薬の多剤処方に減算規定を設けた診療報酬改定の効果を調べたところ、依然として大部分を占めるベンゾジアゼピン(BZ)系薬群の高用量、多剤投与が2.1%の患者に行われていることが、医療経済研究機構の奥村泰之研究員らの調査で分かった。2度の改定で抗不安薬と睡眠薬の多剤処方を減らす効果はあったものの、BZ系薬の多剤処方への効果は限定的だったことから、減算規定の対象薬をBZ系薬に変更するよう検討が必要とした。
抗不安薬と睡眠薬の大部分を占めるBZ系薬は、作用機序が共通し、有効性に関するエビデンスがないものの、精神科外来で高用量や多剤併用が高頻度に見られている。
一方、副作用リスクは用量依存的に高まることが分かっている。