クローズアップ 認定・専門薬剤師 2014/2015 ‐精神科領域‐

2014年9月10日 (水)

薬業界情報


精神科薬物療法認定薬剤師、精神科専門薬剤師

患者の社会復帰までも支えるために…

 精神科医療では、入院治療に加え、地域において自立して社会生活を行うことを目的とした治療がすすめられており、医療と福祉の連携が不可欠となっています。

 精神科薬物療法認定薬剤師・精神科専門薬剤師は、精神疾患(統合失調症をはじめ、うつ病や神経症など)に対して、高度な知識と多くの臨床経験をもって、精神科薬物治療が安全かつ適切に行えるように、患者の入院中の治療からさらに退院後の社会復帰まで支援しています。そして、医師や看護師などの医療スタッフや家族そしてホームヘルパーなどの地域スタッフに対しても情報提供するなど、薬物治療の専門職としてチーム医療を支えています。

 また、年間3万人という自殺者に対する対策のひとつとして、うつ病対策や薬物乱用防止など、精神科医療にかかわる社会的問題に対しても薬物治療の専門家としての役割を担っています。

 このように、より質の高い最適な精神科医療を実践し、国民の精神保健福祉を支援することを目標として活動しています。

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精神科領域の認定・専門薬剤師の仕事は…

 100人に1人の割合で発症する統合失調症を例にご紹介します

患者に合った薬…薬物治療の最適化を推進
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 日本の統合失調症に対する薬物治療の特徴は、海外の多くの国に比べ「薬剤を少しずつ組み合わせていくつも併用する、いわゆる多剤併用投与の多さ」です。それは、病気の原因と考えられているドパミン(神経伝達物質)の過剰な働きを抑え込もうとしたためですが、抗精神病薬の多剤併用投与は、副作用や相互作用のリスクが高くなるといわれています。しかし、最近では抑え込むのではなく、ドパミン神経の機能回復を治療の目的とし、薬物治療はそれを支援するものと考えられるようになりました。

 こうした治療変化を受け、患者一人ひとりの症状や状況に合った薬物治療を患者と医療スタッフの双方に提案し、薬物治療の最適化(単剤化など)に取り組んでいます。

安全な治療のために…副作用の予防・早期発見
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 精神疾患治療薬は、患者の身体に好ましくない影響をもたらすことがあります(副作用)。それを予測して、対処法を医師、患者の双方に提案するのは重要な仕事です。

 抗精神病薬の副作用には、血糖値の上昇や体重増加などのほか、最も発現率が高いものに、錐体外路症状(神経の働きが悪くなり、上手に体の動きをコントロールできなくなる症状)があります。このような副作用は、服薬を中断する大きな要因になる場合があります。

 また、副作用の予防や早期発見のために、運動機能に生じる副作用を評価尺度を用いて患者に直接ふれて確認したり、検査の必要な薬剤が投与された場合には、検査実施のサポートもしています。

薬物治療のアドバイザー
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 統合失調症の患者は、服薬アドヒアランスの低下が大きな問題となっています。アドヒアランスとは、患者が積極的に治療方針の決定に参加して治療を受けることです。

 したがって、精神疾患の患者が安心して治療を継続できるように、薬物治療を受ける際の疑問や不安の解消に努めることが重要です。

 患者と良好なコミュニケーションをとり、患者の積極的な治療参加を促し、安心して服薬できるように支援しています。

社会復帰を支援

 精神疾患の薬物治療は、退院後も継続する必要があります。入院中から患者の退院後の生活を見据え、退院後も安心して服薬が継続できるように、患者一人ひとりの生活スタイルに合わせた、適切でより効果的な薬物治療の提供を行っています。

 また、家族など身近な援助者や周辺地域に対しても情報提供を行い、精神疾患の患者の社会復帰を支援しています。


<提供>
一般社団法人 日本病院薬剤師会
〒150-0002
東京都渋谷区渋谷2-12-15 日本薬学会長井記念館8階
TEL:03-3406-0485 FAX:03-3797-5303
URL:http://www.jshp.or.jp/

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